まあ、少しネタバレですけど、異世界の魔王が出てくるのですよ。で、主人公の青年は警察の特殊機関の捜査官。この二人のバディーものです。もう、これだれで垂涎まちがいなしなのですが、この魔王、すこぶる男前なのです。渋い。ダンディー。懐が深い! それなのに時々ずるい変身までする。そこへ魔王にべた惚れの討伐者らしき者も加わり、お話しはいろいろと転がっていき……。
しかも、各話のストーリーがミステリーからアクション、異能サスペンスや少しだけホラーと、てんこ盛り。もちろんラブストーリーも散りばめ、さらには作者お得意のコメディー色もしっかり注入。
これはもう、ネット小説の海鮮丼大盛です!
ぜひ読んで、読書腹を満腹にさせてください!
サスペンス、ミステリー、異世界ファンタジー、ラブコメ、純愛、狂気、シュール(^^♪
これだけの要素をうまくちりばめながら、6~7話ごとのオムニバスで進むテンポよく進んでいくストーリー。
かなり重い話もあるのに、色々伏線もちりばめられているように思えるのに、ばっさりと切り替えていく思い切りのよい展開。
頭の中であれやこれや考えながらも、わくわく読み進められるのは、やはりにわさんのキャラたちの魅力、そして表現力。
そしてしっかりと読者の推察に対して、小気味よく裏をかいてくるテクニック。
流石ですね。
ぜひ読んでみてください。
にわさんの魅力と才能、マシマシです🎵
作者さまのほかの長編も拝読しています。
その上でのレビューとなりますが、本作を含めて、この作者さまのおはなしには独特のテンポというか、明るさ、あるいは華やかさ、そんな空気をいつも感じるのです。
本作も、表題となっている「右腕」をめぐる、ちょっとミステリアスな、だけどコミカルな物語を、そうした空気感のなかで手放しで楽しませていただける作品です。
わたしは、これは、作者さまのお人柄によるものだろうと思っていました。
でも、きっと、ちょっと違う。
や、お人柄は、お人柄なんだろうけど。
明るいひとだから明るいおはなしを書く。
涙もろいひとだから泣けるはなしを書く。
そんな単純なことじゃあ、ない。
どう、楽しんでる?
このキャラは、この言葉は、この舞台設定は、どう?
笑ってくれてる? どきどき、してくれている?
そうやって、全力で。
最初の一文字から最後のことばまで、ぜんぶぜんぶ、わたしたちを楽しませようとしてくださっている。
そのことをわたしは、華、と捉えたんだろうと思い直しました。
そうならば。
おもいっきり、身を委ねようではありませんか。
作者さまが用意してくださった、このなんとも魅力的な物語空間で、個性的な登場人物たちに手を引かれてみようではありませんか。
さあ。
先ず最初に、僕は「魔王の右腕」というタイトルに痺れました。
タイトル、永遠のテーマです。長文が正しい訳ではありませんが、読者様の意識を「フック」させるポイントは、長文の方がいいと言うのが主流です。
ちなみに、某ラノベ編集者様が仰っていたのは「とにかく重ねた方がいい」という事です。それはだらだらと長いタイトルでなく、複合的な意味合いを持たせる方がベターだという事です。バトル的に例えると的確な弱点を狙い、手数で倒す感じです。
では短文タイトルが悪いのかと言うとそうではなく、同じくバトル的に例えると「一撃必殺」なら良いのです。ただし、その「一撃必殺」がとても難しいので、長文の方が「リスクが少ない」と言う訳になります。
そこで本作タイトル「魔王の右腕」、完全に「一撃必殺」です。僕はこのタイトルを見た瞬間「ぶっ飛ばしてる!」と感嘆致しました。
さて、その内容はと言うと、ネタバレなので書けません(笑)。
ただし、許される範囲で語るなら、にわ冬莉様という才能の幅の広さを強く実感致しました。あくまで個人の感想ですが、元々「エモーショナル」な文体と「生きたセリフ回し」を主軸に、意外な構成で「心に深く切り込む」、そういうイメージでした。ですが本作では「エモーショナル」な部分を残しつつ、「硬質な文体」を前面に押し出しています。
その効果はというと「持ち味」を生かしつつ、さらに「メリハリ」という物語のうねりを作り出し、奥行きの広いスケール感を獲得するに至っています。さらに意図しているのかしていないのか、緩和剤の様に挟み込まれる「ラブコメ」要素もあり、「中だるみ」せず、一気にお読み頂ける事、間違いないです。
お勧め致します。
すごく面白いです。飽きさせない展開はそこそこは早いのに、エピソードの「余韻」がきっちり残る深い味わいと構成力は流石としか言いようがありません。
皆様、是非宜しくお願い致します( ;∀;)