壱単位

主人公やちよは実家で酷い扱いを受け続け、ついには呪いの身代わりとなり命を捨てよと命じられて家を出ます。 長く続いた虐待により、心も身体もとうに限界を超えていたやちよ。 生きている…続きを読む

ぱたぱたと雨が窓を打っているのだろう。 ベッドに横たわる二人を、わたしは、あなたは、その窓の向こうから、あるいはこちらから、じぃっと眺めることになる。 作者さまの言葉は、わたし…続きを読む

本作は、2023年3月に結果発表された『最強に尊い！「推しメン」原案小説コンテスト』において大賞を受賞し、その後書籍化された作品となります。 ご発表から時間が経っており、また、…続きを読む

いやあ……すごかった。びっくりした。 こちらの作品見つけて、わあいゾウリムシ短歌、えへへ、って、笑顔ばんざいでわたしは駆け込んだわけです。 ゾウリムシ可愛かったです〜とか、おな…続きを読む

第一話から最後までひといきに拝読しました！ オープニングからパキッと舞台に乗せられて、登場人物たちの属性もすとんと入ってきて、展開も早くて。全十話と短い中でも、まさに王道ファン…続きを読む

生きている。 死んでいる。 生きていたい。 死なねばならない。 痛み、苦しみ、傷と火傷。 薫る風、透き通る故郷の空、揺れる秋桜。 敵艦を正面に捉え。 送ったあのひとの横顔を…続きを読む

舞台は、横浜。 穏やかな小漁村だった横濱村が歴史の突端に躍り出る頃の物語。 案内役は、鎮守、弁財天。 美しい娘御の姿に顕現せし村の守り神が、供たる蛇神・宇賀神と、市井のなかでひ…続きを読む

正しい母親。 正しい家族。 正しい夫婦。 正しい愛情。 正しい、犠牲。 このおはなしに登場する人物たち……主人公たちは、みな何らかの事情を抱えています。誰もがそうであるように…続きを読む

どこからどう、この作品についておはなしすれば良いのか。 読了から少し時間が経っているのに、いまだざわついています。 こころが、頭の芯が。 芳醇、という表現をわたしは向けたいの…続きを読む

十四話まで拝読してのレビューです。 タイトルやあらすじから、わたしは相当の覚悟をして本作に臨みました。 作者さまは人間描写、ドラマを刻み出すことにたいへん長けておられる方です。…続きを読む

ネタバレなしで参ります。 ロカテリアシリーズは、作者さまが、カクヨムのイベントであるKACのために書き始められたもの。おそらく初めは、単発、読切のつもりで書かれたのだろうと思っ…続きを読む

作者さまや他の繋がりさまたちにご出演いただいた、わたしのとあるお話のなかで。 作者さまがひとつの物語を書かれるのです。のちに世界のかたちを変えることになる、とてもおおきな、物語を。…続きを読む

くるみってどうやってつくるんだろう。 そんな疑問がふと浮きましたが、このおはなしの暖かさの前に即座に溶けてゆきました。よいのです。くるくると舞えば、ふわり踊っていれば、くるみは…続きを読む

作者さまのほかの長編も拝読しています。 その上でのレビューとなりますが、本作を含めて、この作者さまのおはなしには独特のテンポというか、明るさ、あるいは華やかさ、そんな空気をいつも…続きを読む

よく、わかりません。 わたしがなにを読んで、なにを感じて、なぜ、こんなに泣いているのか。 いろんな言葉が浮かぶのに。 言えない。 こんなおはなしのなかで、嘘になる。 ただ、で…続きを読む

あったかい。 辛いできごとも、忘れたいできごとも、思うようにならないことがらも。 みんなみんな、時間のなかに、流れのなかに、宇宙に、包摂されて。 ぜんぶぜんぶ、許されていく。 …続きを読む

なにこれ。 なんかアホのわたしなりに、技巧の極みって言葉、使わせてほしくなる。 え、まじで。これKACのお題なの？ 長編のプロローグだよね？ もちろんあと20万文字以上は続くよね…続きを読む

砂に埋もれゆく世界のおはなしです。 街も、ひとも命も、埋もれてゆく。 だから、空の蒼と、砂の白しかないのです。 上は、蒼。 下は、白。 ちいさなひとが、ちいさな命が、ぽくぽくと…続きを読む

古代、奈良時代のひとびとの暮らし、恋物語を中心としてとても素敵なおはなしを紡がれ続ける作者さま。 たぶん、その全部を拝読させていただいたと思っています。 その上で。 まいりまし…続きを読む

古から伝わる不思議な技術をもつ一族のおはなし。 主人公は自分に興味をもって追いかけ回してくる女子と、あるいは共に暮らす仲間たちとともに、とある因縁から一族を狙うものたちと対立する…続きを読む

えっ、というのが、ほんとのほんとの、素直な感想。 そういうつもりじゃ、なかったのに。 ティッシュもハンカチも、足りない。 もう、ぼろっぼろ。 作者さま一流の、親しみやすく鮮明…続きを読む

廃線の駅舎。 繁盛していないカフェ。 雰囲気のある舞台設定です。 わたしには、彩度をおとした緑と、枕木に揺れる白い花まで見えました。 それで、すすんでもいい。 そのまますすん…続きを読む

終始、お酒の匂い。 洒脱、洒落、ということばをつかいたいのに、全編全話がアルコールですから、困ります。酒、脱けてない。落ちてない。 それでも、つかう。 エッセイを拝読している…続きを読む

ひといき拝読させていただきました。 作者さまにはたいへん失礼なことであり、申し訳ございません。 さて。 作者さまは言葉を喰い、言葉をまとって生きておられる方です。 そのような…続きを読む

以前にもこの作者さまのお話にレビューさせていただいたことがあり。 たぶんそのときにも、似たことを書いたように思います。 それでも、触れざるを得ません。 作者さまの本質、わたしは…続きを読む

本作、いわゆるざまあ系のサレ妻のおはなしに分類されるのでしょう。 夫と妹の不貞に苦しめられた挙句に異世界に転生。 ところが当の加害者たちまで同じ世界に……！ 執拗な嫌がらせ。一…続きを読む

主人公は女神さま。 この世界では、女神さまは恋をすることで、それぞれが守護する大陸を栄えさせるちからを持っています。 だから主人公も、恋をしなくちゃ、と思い詰めています。 で…続きを読む

別作品「国民的アイドルを目指していた私にとって社交界でトップを取るなんてチョロすぎる件」のスピンオフとして書かれた本作。 別作品の方もかるくご紹介しましょう。 傷つけられたアイ…続きを読む

あなたは何を差し出せる。 とおい世界の、想いびと。 かなう恋ではない。 そうであるのに、そのひとは、自分のところまで降りてきて。 すべてを捨てて、求めてくれた。 あなたは、…続きを読む

草の匂い、土の感触、森の空気、夕餉のにおい。 走り、叫び、策謀が網張られ、打ち破り。 国と国、父と子の、図らざる相剋。 積み重なる想念が呪いを生み出し。 野を奔る姫は、凛と向かう…続きを読む

紡ぐ、というのは文字どおりなのです。 世界が滅ぼうとしている。 救えるのは、紡ぐ、編む能力をもった魔女たちだけ。 やる気のない神さま、好きなことにだけまっすぐな、不思議な雰囲…続きを読む

タイトルに惹かれて読み始められた方も多いでしょう。 ラウラさんとセスさん。 ハズレ聖女とハズレ召喚士と呼ばれます。 とても興味をそそりますよね。 強い力がありながら、常に目を…続きを読む

玄関を、振り向いてしまった。 うしなったものが、もしかしてそこに、戻っているのではないかと思って。 わたしにはないもの。 わたしが、うしなったもの。 主人公さまが、うしない、そ…続きを読む

読後。 ほとんどの読者が、ほわほわして、あまり言葉を選ぶことができないでしょう。 ですからわたしが、がんばってレビューを紡ぐのです。 言葉選びには自信があります。 必ず、あなた…続きを読む

物語は、歌とことばに特別なちからが宿る世界で進みます。 主人公は期せずよばれ、さる高貴なおうちに嫁入ることに。 彼女自身にも宿っていた高い能力で、いくつもの困難な課題を越えて………続きを読む

ほのくらい、オープニング。 不安と心細さが際立ちます。 それでも、おそらく主人公のしあわせが約束されたおはなしなのです。 そうなのだと、知っていても。 でも、なら、どうやって…続きを読む

よき家にうまれ、ゆたかな才能をもち、将来を嘱望され。 とんとんと、輝く階段をのぼってゆき。 そのさきにあった、王妃の座。 でも。 ヴェルラクシェは、ことほぎの子。 大きいが故に…続きを読む

やさしい語り口ではじまって。 親しみやすい主人公さま、まわりのみなさん。 魔法のような不思議なちからは、丁寧な描きかたでごく自然に、あたりまえのようにそこにあって。予期せぬ婚姻、…続きを読む

作者さま、わたし好きなんです。 冒頭からごめんなさい。 つよいんだもの。 腕力じゃない、言葉の荒さとかでもない。 いきる、つよさ。 ばんと立って、生きて、生きて、生きる。 その…続きを読む

こえに、かたちがあるのなら。 ことばに粘性があるのなら。 わたしのからだは、もっと上手に、つくられたはず。 作者さまのこえと、ことばによって。 評価するのでしょうか。 文法に…続きを読む

本作、実は、別のおはなしのベースとなっています。 わたしはその、別のおはなしが大好きで、だから、こちらもぜひ知っておきたいという気持ちで読み始めました。 少しずつ、少しずつ読ん…続きを読む

感傷でも涙でもなく、ちゃんとレビューをかくのです。 そうやって意識しないと、かけない。 作者さまの世界が、あまりにあったかくて、居心地がよくて、登場人物がぜんぶぜんぶ愛せてし…続きを読む

ことほぎ。 まあるく。 からすのこ。 ひとのこ。 まあるく、まあるく。 とおいとおいみちは、ましろにひかって。 ごく短いおはなしなのに、置かれたことばのいっこいっこの、なんて美…続きを読む

短編につき、詳細は控えます。 控えますが、涙を禁じ得ない。 世界の残酷。 ひとが抱え得た、もっとも困難な課題。 いま、ふたりの前にそれが置かれる。 わたしなら、解決することは…続きを読む

わかれはたくさんたくさん、たくさん経験して。 ことばも、涙も、たくさんたくさん、費やして。 想いの居場所ってどこにあるんでしょうね。 彼岸、此岸。 ゆめのなか、うつつのいま。 …続きを読む

短編です。
ネタバレに繋がることはかけません。

こんちくしょー、という思いだけがいま、わたしと共にあります。
ばかやろー、と。

ああ。
全員、よめ。
その必要がある。