自分はアンドロイド、人工知能だと告白した愛海。
主人公はその告白をどう取り扱えばいいか戸惑いながら、それでも、そのなかに隠れている彼女の本心、ほんとうの気持ちに触れて揺れるのです。
彼自身も、ツクリモノ、だったから。
そんなふたりが目指したのは、海でした。
まっくらで、きっといろんな匂いがぶわりと彼らを包んだことでしょう。
まるで、おかあさんのお腹のなかにいるように。
誰かに作られた身体、立ち位置、生きる場所。
与えられた、命。
きっと青春って、そういうのをもがきながら脱ぎ捨てていく時間なのだろうから。
これは、ツクリモノの二人がホンモノの世界を取り戻すまでの物語。
途中までは油断していたんです。
油断?
いや、違うな。
まさかこんな結末だなんて、思ってもいなかった……そう言えばいいのでしょうか。
半分を過ぎたあたりから、もう、なんというかグサグサと刺されるような感覚になりました。
もちろん悪い意味じゃないです。
読めば読むほどに、刺さる。
感情を揺さぶられる、って言えばいいんでしょうか。
そして最終話を読み終えた直後の感想は、
「なんてもの書いてくれちゃってんのよ!( ゚Д゚)」←褒めてる
でした。
とても素晴らしい作品です。
読んだらわかります。
今、脳内の擬音は「うもんうもん」です。
私の頭の中はうもんうもんしてます。
誰か共感してください。(笑)