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ヨコハマおひとりさま界隈

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山田あとり

おすすめレビュー

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★★★
★58
20人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 壱単位
    1178件の
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    ★★★ Excellent!!!

    女ひとり、畳んでいた羽根を拡げるとき。


    隣にだれかがいるというしあわせ、ある。
    たしかに、ある。

    でも、そうではないしあわせももちろんあって、そのしあわせは自分のサイズで生きること、って表現することもできるとおもう。

    誰かと過ごすことは、そのひとのサイズに合わせることでもあって、だから自分の背中に大きく広がっていた羽根は、だいたいみんな、畳んじゃう。畳まざるを得ない。無理して、ではない。そうしたいから、それがしあわせだから、そうする。

    それでも。

    行列の待ち時間を気にせずに並んでいいんだって気づいたとき。
    だれに気兼ねするでもなくビールをぷしゅって開けるとき。
    ゆきたいところに行き、感じたいものを感じるとき。

    女がひとり、畳んでいた羽根を拡げるとき。

    そのひとはきっと綺麗だし、空から降る光はきっと、彼女だけに用意されたものだと思います。

    そういう、おはなし。
    ね、どうかどうか。

    • 2025年3月14日 11:48