概要
五歳の頃、公爵である父が初めて舞踏会に私を連れて行った。
社交界へのお披露目を兼ね、多くの同世代の子息子女達がそこにいた。
煌びやかでたおやか、そして下世話な噂話。
存外楽しい物だった。
そこで私は同じ年の少年に出会う。
しかし、ここでの胡散臭い見栄を張れず、嘘っぱちで見え透いた取り繕いも出来ていない。
ただ、随分と鼻につく生意気な態度だった。
しかも私にウザ絡みして邪魔臭い。
だから、ぶっ飛ばした。
後に英傑としてこの国をまとめる、第二王子だった。
王族に対する不敬を通り越した暴挙だったが、父の必死の奔走で事無きを得た。
◇教訓、生意気なくそガキはぶっ飛ばす。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ミリスお嬢様に逆らわない
公爵家の令嬢であるミリスは、家の権力と金を存分に使い、自身が思うが儘に生きる女性だ。
ミリスの進む道の先には、数多の出会いと事件が起こる。
どんなピンチにもチャンスにも、彼女の行動原理はいつもひとつ。
「面白い」かどうかだ。
物語が進む中でそれぞれのキャラクターが背負った闇や悲しみは、作者が責任を持って昇華するという、強い意思を感じる作品でもある。
「生きていけ」と熱くまっすぐに伝えられる言葉は、登場人物たちを突き抜けて、きっとあなたの胸にも届くはずだ。
思うまま、面白がって生きていくミリスお嬢様の魅力に逆らう必要は無い。
破天荒なご令嬢と、素敵な仲間たちの世界に飛び込もう! - ★★★ Excellent!!!爽快なほど破天荒なお嬢様だからこそ、人情味の溢れるラストの選択に感動
キャッチコピーにもある通り、「生意気なくそガキはぶっ飛ばす」ような破天荒なお嬢様。それが国の第二王子だろうと、後の剣聖や聖女だろうと……。
終始、そんな破天荒さが痛快かつ爽快なミリスお嬢様。
確かにタグにもある通り「悪徳令嬢」のようにも映るかもしれません。
しかし……一人称の地の文も含み、喋り方がやたらと男前で、侠者のような格好良さを感じてしまいます。お嬢様に失礼? いえいえ褒め言葉ということで、どうか一つ……読んで頂ければ、きっと伝わるはず!
武力や魔術もない「お嬢様」に違いない人が、大胆な機略と機転、そして堂々たる胆力をもって状況を打破する姿は、圧巻かつ爽快。
言動といい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!痛快だが物凄く深い痛快人情活劇 一気読み必至
登場人物が、全部生き物の匂いがするんです。
それぞれの立場があって、それぞれの正義があって、それぞれの事情があって、それぞれの理由があって、その行動をする。そうするしかないからそうする。
物事は全てそうだと思うのですが、例えば戦いの場面などでは非常に象徴的なのかもしれませんが
一部分だけ見たら、どちらかか善でどちらかが悪なのかもしれません。
だけど、それぞれにはそれぞれの言い分がある。見方によってはそれは簡単に逆転する。
そんなことを感じさせられる物語でした。
作者様の筆のお力で、すごく重たいお話も爽やかに、かつ、軽やかにユーモラスに進んでいきます。
涙が出る場面はありますが
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