ファンタジーっぽい世界を舞台に繰り広げられる学園物語です。後半からは社会人編が始まります。
この物語の特筆すべき点としてはやはり、魔法剣でしょう。炎が出たり、水が出たり。そんな大仰な魔法を主人公達は使いません。 言ってしまえばスター◯ォーズのジェダイです。様々なスタイルがあり、騎士は己に合った型を模索していきます。この小説は剣技とその基礎となる体作りに真摯に向き合っています。
そして、この物語の素晴らしいところは主人公の生き様です。彼に才能はありません。本当にただの凡人です。たった一つの長所は心が折れないこと。人間離れしている訳ではありません。泣くし、笑うし、よく傷つきます。それでも折れずに、前に進みます。その道が、どんなに、どんなに、向いてなくても。辛くても。
人間生きていれば、最初に想定していたのと違う道に進むことは多々あります。就職、結婚、その他諸々で妥協します。
この主人公はそうはしません。それはとてもカッコよくて、自分には無理だと痛感してしまいます。
この近くて遠い主人公の終着点をみんなで見守れれば幸いです。