岩を穿つ雫のように

384話、一気に読み終えました。
いや、脱帽です。

主人公は日々実直な努力を重ね、技を極めて行く。心の在り方、自分の在り方を毎日見据えて気を研ぎ澄ませて行く。
変容、変節、それでも奥底に流れるものは同じ。同じだけれど移ろい変わりゆく面が心を捉えて離さない。

壮大な戦記かとも思えば、題名に違わず人を熱く泥臭く見つめた哲学問答書でもあり。そして多種多様な登場人物、世界設定は巧み。最初は見えない世界の全貌が少しずつ少しずつ明らかになるのも上手い。

作者様の創造性、才能、物語を紡ぐ努力に主人公が重なって見えます。この作品を読めたことに感謝しかありません。