タイトルからして「すげぇな、おい!」とツッコんだ( ;∀;)

先ず最初に、僕は「魔王の右腕」というタイトルに痺れました。

タイトル、永遠のテーマです。長文が正しい訳ではありませんが、読者様の意識を「フック」させるポイントは、長文の方がいいと言うのが主流です。

ちなみに、某ラノベ編集者様が仰っていたのは「とにかく重ねた方がいい」という事です。それはだらだらと長いタイトルでなく、複合的な意味合いを持たせる方がベターだという事です。バトル的に例えると的確な弱点を狙い、手数で倒す感じです。

では短文タイトルが悪いのかと言うとそうではなく、同じくバトル的に例えると「一撃必殺」なら良いのです。ただし、その「一撃必殺」がとても難しいので、長文の方が「リスクが少ない」と言う訳になります。

そこで本作タイトル「魔王の右腕」、完全に「一撃必殺」です。僕はこのタイトルを見た瞬間「ぶっ飛ばしてる!」と感嘆致しました。

さて、その内容はと言うと、ネタバレなので書けません(笑)。

ただし、許される範囲で語るなら、にわ冬莉様という才能の幅の広さを強く実感致しました。あくまで個人の感想ですが、元々「エモーショナル」な文体と「生きたセリフ回し」を主軸に、意外な構成で「心に深く切り込む」、そういうイメージでした。ですが本作では「エモーショナル」な部分を残しつつ、「硬質な文体」を前面に押し出しています。

その効果はというと「持ち味」を生かしつつ、さらに「メリハリ」という物語のうねりを作り出し、奥行きの広いスケール感を獲得するに至っています。さらに意図しているのかしていないのか、緩和剤の様に挟み込まれる「ラブコメ」要素もあり、「中だるみ」せず、一気にお読み頂ける事、間違いないです。

お勧め致します。

すごく面白いです。飽きさせない展開はそこそこは早いのに、エピソードの「余韻」がきっちり残る深い味わいと構成力は流石としか言いようがありません。

皆様、是非宜しくお願い致します( ;∀;)







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