六 戀にハ人の死なぬも乃かハ

0.戀よ戀

 戀よ戀。我が中空ナカゾラになすな戀。戀にハ人の。死なぬも乃かハ。無慙ムザンの者乃心やな。


 女御にょうごは立ち上がることもできずに、その恋に押し潰される。老人の妄執もうしゅうは、怨嗟えんさは、地獄に落ちても晴れることはなく。

 観客から視れば舞台の正面、きざはしのある正先しょうさきに、美しく作られた荷があった。見た目は美しく、けれどもその中身は、重く――重く。


 決して持ち上がらぬほどの思いは、

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