第2章22話 怪盗の仕事

「そういえば、まだ怪盗団の仕事請け負ってないような……?ガロウさんに聞いてみるか」

 私はある日ふと思った。怪盗の仕事やっていないと。やった事がない。かと言ってガロウさん達も最近は、怪盗の仕事をやっていない。これは私も心配になる。

 早速ガロウさんの部屋に行って聞く事にした。

 コンコン

「ガロウさん、ルノです。入ってもいいですか?」

「おう。いいぞ」

 ガチャッ

「失礼します」

「何かあったか?月影が仕事サボったとか月影が物壊したとかか?」

「月影さん、そんな事してたんですか?!その件じゃなくて、怪盗団の仕事を果たせてないなって思ったんですよ。働いて団の資金増やしたいですし……」

「ああ、その件か。正直言うと、俺らが3人の時にかなり稼げたからしばらく働かなくても問題ねえよ。でもそうだな。あれは3年間働かなかったらランク下がった気がするから、もう1年はたってるから……?急がねぇといけねえ」

「そうですよ!ランク下がったら私はリナともう1回試験受けなきゃいけないんですよ!」

「じゃあ、怪盗ギルド行くぜ。依頼を受けなきゃ怪盗もやってられないからな」

「分かりました」

 そして、私達が怪盗団に入ってから初めての依頼。案の定、怪盗に盗みに入られる貴族は悪徳だ。

 やはり元貴族だから言え貴族の家に入るのは正式な所作をとろうとしてしまう。……まぁ、小さい頃に受けた教養は私に強く根付いているなぁと関心しているとガロウさんが合図をした。屋敷に入るタイミングだ。

 屋敷に入った。案外屋敷は掃除が行き届いてなかった。元メイドのリナもこれは気になったらしい。

「メイドの業務をサボるとは、メイドとしてあるまじき行為では?」

「ここは、案外メイドや屋敷の者が少ないですね?何かあったんでしょうか?」

「俺らが予告状出しておいて逃げたってのは考えられないよな?じゃあ、俺らを油断させるためにいるんじゃないか?」

「……いや、ちがう」

「ダラグ、違うって、何が違うのですか?」

「会話、内容、当主、忘れてる」

「は?」

「ルノとリナにすごく分かりやすく言いますね。ここの当主が誰かと会話している内容から私達がここに来る事を忘れているようです」

「「ええ……」」

「って事は今回はあんまりスリルは期待出来ないな」

「普通の怪盗は安全性を求めるものですよ、ガロウ」

「そうだぞ」

「そういえば、ダラグさんはここの誰よりも耳が良かったですね」

「それなら信ぴょう性はありますね。とりあえずササッと依頼品盗みましょうか」

 私達はさっさと依頼品を盗んでさっさと退出した。後日、屋敷の警備が強化されたけれど、怪盗が来なかった貴族は怒ったとかなんとか……。

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