第2章27話 もうそろそろ……

私は、ある日を楽しみにしている。ずっと楽しみにしている。その日とは、今月の25日。なぜなら、その日は特別な夜になるらしい。そのため、私は楽しみに待っている。

「それにしてもルノ様、今月の25日ってなんで特別な夜って言われているんですかね?」

「なんでも、夜なのに町中光っているそうよ。どういう原理かは分からないけれど、面白そうよね」

「なるほど、確かに夜なのに明るいのは不思議ですね」

「あと、子供だと枕元にプレゼントが置かれているそうよ。いい子にしていれば、プレゼントの妖精が置いていくらしいわ」

「プレゼントの妖精ですか……。ここには様々な妖精がいると伺っていますが、そんな妖精までいるのですね……」

「なんでも、この時期はプレゼントの妖精が忙しいらしいわよ」

「それは、そうでしょうね」

「それにセールもするみたいだし」

「ルノ様、別にセールは年1回ではございません」

「それもそうね」

「しちぅ出来ましたよ、ガロウ、ダラグ」

「月影様、お二方はそっちにいたんじゃないですか?」

「えっ?でも、こちらには来ていませんよ?」

「私達も見ていないですよ?」

「……あー、なるほど。分かりました。多分、町の飾り付けに駆り出されたのでしょう。そうすると、遅くなってくるので、先に我々だけで食べましょうか」

「「飾り付け?」」

「夜に町中を光らせる飾り付けですよ」

「そのようなものがあるのですね」

私は、25日に心踊らされていた。その日が来るまで、私は気分が浮かれていた。早く来ないかな。

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