第2章28話 メリークリスマス!
25日になった。私は、ウキウキして起きた。今日はとても楽しみな日にしていた。なぜなら、この日はクリスマス!なんでも、星の旅人から持ち込まれた文化だからだ。
この日だけは、夜になると街中明るくなる。なんでも、来年も明るく道を照らして行けるようにと言う願いを込めて、今日と今月末は明るくなる。そのため、私は楽しみにしていた。
「今日はクリスマスだな」
「だな。今年はどのくらい客入りがいいのか気になるな」
「こんにちは。今日は、ケーキありますか?」
「ケーキあるぞ。嬢ちゃんが1番のりだ。良かったな」
「ありがとうございます!じゃあ、これでお願いします」
「嬢ちゃんマイドアリ。……ガロウからはなんか言われたか?」
「ガロウさんから?何も言われていませんが、なにかありましたか?」
「……いや、何も言われてないなら、それでいいんだ」
「?」
「とりあえず、早く持って帰って怪盗団のみんなと食べな」
「はーい」カランカラン
「……あのやろう、嬢ちゃん泣かせたら、俺らが許さないからな」
〜怪盗団のアジト〜
「……なんか、寒気がしたな」
「冬だからじゃないですかね?」
「……そんな生易しい寒気じゃなかったが……?まあ、いっか。それより、ルノがケーキ買っているから、ケーキ大丈夫だそうだ」
「なるほど。所で、ガロウ。商店街の人にルノに告白する事言ったんですか?」
「いや、言っていないが……なんでだ?」
「ルノを泣かせたら、商店街の人達が一発ずつガロウを殴る事で盛り上がっている様子を見ましたので」
「なんでだ?!言った事あるやつなんて、いないぞ?!」
「本当に心当たりないんですか?」
「心当たり……。小物屋の店長に言ったことがもしかして……?」
「確実にそれですね」
「ちくしょう。伝染しすぎだろ」
「ちなみに、私も一発殴りますから、それは覚悟してください」
「ボコボコじゃねぇか。明日無事かどうかだけ願うか……」
〜〜〜
夜。街の様子がいつもと違う。こんなに明るい夜もいいなと思いながらいつもと違う街の様子を見ていた。何故か、ガロウさんに外に誘われているので、外に行く事にした。外に出たら、ガロウさんがいつもより真剣な顔をしていた。何かあったかな?と不思議に思いながら、ガロウさんの近くに行った。
「悪ぃな、遅くに呼び出しちまって」
「大丈夫ですよ。ところで、今日のケーキ美味しかったですか?」
「ああ。美味かった。ルノのセンスはいいな」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
「それで、なんだが……」
「?」
「これをもらって欲しい。いらねぇなら、俺がもらう」
「これって……イヤリングですか?」
「ああ」
さすがに文化に慣れてきた私で、意味はわかる。このイヤリングは、私の髪色と、ガロウさんの髪色のイヤリングだ。これは、婚約者がつけるようになる物で、これをもらえるという事は、私は、ガロウさんに好かれているという事だ。
「ガロウさん。ありがとうございます。ガロウさんがつけてくれませんか?」
「ああ。分かった」
私は、ガロウさんにイヤリングをつけてもらった。なんだか、こそばゆく感じた。
「ガロウさん、ありがとう」
「それほど、大した事はしていないだろ……」
ふとガロウさんの手が視界に入った。そして……。
チュッ
「?!」
「ガロウさんへのお礼♪じゃあ、戻りましょうか」
「あ、ああ……」
私は満足なクリスマスを迎えた。最高のサプライズプレゼントもあったし、ガロウさんの恥ずかしそうな顔も見た。ありがとう、クリスマス。
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