第2章26話 ルノが好きな花(後編)
私達は店にようやく入った。
「こんにちは」
「こんにちは。ガロウの連れかい?」
「はい」
「あのガロウがねぇ。ダラグや月影しか連れてないあのガロウがねぇ」
「おい、店主?どういう意味だ?」
「なんでもないよ」
「あの……?」
「ルノ、気にしなくていい」
そして、買い物をする事にした。
私は何かが買いたいと思って来たわけではないので、どんなものがあるか店の中を見て回っていた。そしたら、
「これは……」
「ああ、それか。氷結花をモチーフにした髪飾りで、貴重な物だな。何しろ、氷結花の髪飾りがそんなに出回っていないからな」
「そうなのか?ルノ、こいつが気になるか?」
「はい。……氷結花好きなんです」
「そうか。店主、これ一つくれ」
「わかった」
「えっ?いいんですか?」
「おう」
「ありがとうございましたー」
「アンガトな」
「ありがとうございます」
そして、私達は店を出た。
「ルノ、その髪飾りつけてやるよ」
「えっ。でも……」
「いいからいいから」パチンッ
「あ、ありがとうございます……」
私の1番好きな花はこの髪飾りに更新されたかもしれない……。そんなことを思った昼下がりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます