第2章35話 ルノとガロウ(後編)

 私の誕生日に式を挙げる。ガロウさんからそう言われて、誕生日がいつもより楽しくなった。誕生日に式を挙げるけれど、籍を入れるのは、後日だ。誕生日と結婚記念日をまとめてお祝いしたくないとガロウさんは言っていた。

「ガロウさん、ガロウさんに会ってから私いい方向に変わりました。最初は理不尽な家に生まれて悔いた日々ですが、ガロウさんと過ごしていくうちに、私は勇気が出ました。そして、希望ももらいました。これからの人生は、それら全てを背負って、ガロウさんと一緒にいたいです」

「ルノ、俺も最初は何気なく生きている1日だったが、お前に恋してから、その毎日が色鮮やかに変わった。だから、俺もお前の気持ちに応えて、俺がお前を幸せにする」

「ルノ様、ガロウ様、これは何ですか?」

「リナ、これは式の練習よ。ガロウさん照れちゃって、なかなかスラスラと言わせるの大変だったから、見てほしいなって」

「まあ、ガロウは、愛の言葉はあまり口に出したがらないでしょうからね。それはスラスラといえなくてもおかしくないかと」

「月影、ケンカ売ってんのか?お前なんて一時期チャラ男だったから、リナに手本見せてみろよ」

「それはそれ、これはこれですよ」

「出来ないこと、言うんじゃねえ」

「すみませんでした」

「月影様、最近ガロウ様に対して、謝るのが早いですね。何かありましたか?」

「ガロウもそろそろ式を挙げると思うと、手加減したくなるのですよね……。でも、ガロウの事をからかわないと、変だって疑われそうで、謝るのが早くなっただけですよ」

「そういう事か。まあ、いいことではあるからな」

「いい事なんですかね」

「少なくとも、俺にとっていい事だ」

「……そうですか」

 私達は他愛ない会話をした。そして、いつまでもこの仲間達と過ごせたら素敵だと考える。いいや、何があっても、この仲間と一緒に過ごそう。私は心の中でそう決意した。


 〜〜〜〜〜


 これにて本編は終了です。これからは後日談や番外編がちょくちょくあがるかなと言う程度ですので、お暇があれば見に来てください。では、ここまで見てくださってありがとうございました。

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