第20話 エカバリー公爵家の今後

 私達は、フォルケル国に帰ってきた。そして、まっすぐに孤児院に向かう。孤児院に着いた時に少しして、気がついた事がある。それは、私達が初めて来た時には、外で子供の誘拐が多発していたため、屋内で遊ばせていた。しかし、今は子供達は元気に孤児院の外で遊び回っている。これに、1番驚いていたのは、月影さんとダラグさんだった。

「調査、まだ、終わって、ない。なのに、なぜ?」

「ダラグと同意見です。まだ、誘拐犯達のアジトが見つかっていませんのに?」

「あっ、おかえりなさい。ルノさん、この度はどうもありがとうございます。ルノさんがお貸ししてくれた2人が誘拐犯達のアジトを見つけて、無事全員捕まりました」

「私ですか?そのような事はしなかったと思いますが……。2人の名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「沙羅さんと、真奈さんです」

「なるほど。わかりました」

「ルノ様、つかぬ事をお伺いしますが、そのお2方はどちら様でしょうか?」

「私の異能力を、使えるようにしてくれた2人よ。どうやら、孤児院の見張りをしていたみたい」

「なるほど。理解しました」

「立ち話もあれですし、とりあえず中に入りましょう」

 孤児院の院長先生にそう言われ、私達は孤児院の中に入った。外は暑かったので中で冷たい飲み物を飲みながら、話す事にした。

 どうやら、私達がエカバリー公爵家と決着をつけている間に、沙羅さんと真奈さんが、まだ孤児院の問題が解決していなかった事を気にかけていたようだ。そこで、異能力の力を少し私に預け、自分達は、孤児院の見回りに行っていたらしい。そこで、怪しい人物が孤児院の周りをウロウロしていたので、帰っていく時に、あとをつけて行っていた。そしたら、誘拐組織のアジトだったらしく、その場で、騎士団を呼んだらしい。そして、その誘拐組織は、全員お縄についた、ということを院長先生から聞いた。

「沙羅さんと真奈さんに、言っておいてください。助かりました、と」

「わかりました。伝えておきます」

「ありがとうございます。ところで、帰ってきたと言うことは、無事にルノさんの実家と決着がついたのですか?」

「まぁ、無事ではないけれど、帰れました」

「そうですか」

 院長先生は、それ以上何も聞いてこなかった。まぁ、追求されるとこちらも困るから別にいいけれど。そういえば、腕輪は、ガロウさんが攻撃系の異能力を使ったら、簡単に壊れてしまったので、跡形もない。

 さて、後日にエカバリー公爵家のニュースがティスサ国側から、流れてきた。エカバリー公爵家は、公爵家としての権限は剥奪。でも、名前だけは公爵と名乗れる。まぁ、ほとんどの場合、そういうのは名乗れないと思うけれどね。さらに、公爵とリリシャは、罪人扱いをされているらしい。何でも、私の扱いがどこからか出回ったとかで、ゆっくり眠れる日が来ないらしい。正直、そんな気がしてた。

 そうそう、テスター子爵も、罰を受けた。内容は、まだこっちに明確なのは届いてないけれど、多分酷いものだろう。ちなみに、エミさんを迎えていいらしく、ドグ君はそれをティスサ国国王から聞いて、三男だけれど、子爵になった。ドグ君が幸せになれて、良かったよ。その噂達は、ガロウさんの耳にも入った。そしたら、ガロウさんは、こう言っていた。

「全員、自業自得だな」

「ですね」

「全く、行いって返ってくるとはよく聞くが、ここまで酷いと、呆れて言葉もでねぇな」

「あはは。……ところで、そろそろご飯ですよ」

「っと、そうだったな。ここ最近は孤児院のご飯ばかりだったから、忘れてたけど、今日は、リナが当番だったな」

「ちょっと、忘れないで下さい!」

 私は頬をプーっとふくらませた。その様子を見て、ガロウさんは笑う。日常が返ってきたように思った。こっちの日常は楽しいから、いつまでも続いて欲しい。

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 これにて、第1章は終わりです。第2章は、恋愛面を多く出そうと思いますので、大丈夫だよって方はついてきて欲しいです。これからも、『宵闇怪盗団に花が咲く』をよろしくお願いします。

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