第2章2話 ルノとリナの怪盗試験
「ルノ、リナ。怪盗ギルド試験の日にちが決まった」
朝、起きたらガロウさんからそう言われた。怪盗ギルド試験とは、前に聞いていた。ガロウさんから、説明を聞く。
「怪盗ギルド試験の内容は、筆記だ。主に、倫理の部分で出題される。100点が満点だ。60点取れていれば、合格だ。落ちないように気をつけろよ」
「なぜ、倫理なのですか?」
「リナには、言っていなかったな。怪盗は、怪盗ギルドから金をもらうんだ。でも、盗んだ物を大切に扱わないと、金は払ってもらえない。だから、一般的な倫理があるかを調べるんだ」
「前に、実技テストって聞いたのですが、なぜ筆記に?」
「実技だけだと、宝を大切に扱わない輩が出てくるからってことで、実技は廃止になったらしい。『俺らも受け直すのか』って聞いたら、『元々の怪盗さんは、人数が多いので、受けなくてもいいです』と言われたんだ」
「「なるほど」」
「とにかく、試験日は10日後だから、しっかり勉強しろよ」
「「はい」」
「ルノ、リナ、頑張る」
「あなた達なら大丈夫だと思いますよ」
「「ありがとうございます」」
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10日後、私達は、ガロウさんの指示にしたがって怪盗ギルドの試験会場にやってきた。私は、すごくドキドキしているけれど、リナはすごく余裕そうだ。そして、私達は試験を受けた。内容は至ってシンプルで簡単だった。だから、私も問題をスイスイ解けた。
そして、試験が終わった。私は全問解けた。リナも同じだったらしい。だから、問題の答えの照らし合わせをしていた。そんなことをしている間に、採点が終わった。結果を、ガロウさん達にも伝える。
「おお、やるじゃねぇか」
「2人、とも、おつかれ」
「2人とも、合格するとはやっぱりいいですね」
「いやぁ、私は疲れたから、少し休みたい」
「そうですね。では、お先に失礼します」
「おう」
「疲れた、時は、休む」
「お疲れ様です」
そして、私達は、自分の部屋に戻った。そして、布団に入ったら眠くなって来たので、眠った。
その日の夜は、テテ堂と言うご飯定食屋のご馳走だった。とても、嬉しかった。
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「ルノ達、受かってよかったな」
「そう、だな」
「そうだ!今夜は、ご馳走にしません?ご飯はテテ堂で食べて、私達でお金は出すって感じで」
「いい、な」
「お前らが食いたいだけだろ。まぁ、いいけどさ」
テテ堂とは、こいつらのお気に入りの飯屋だ。確かに最近行っていなかったから、愚痴っていたけれど、そこまで行きたかったとは。まぁ、お祝いしないわけにはいかないから、お祝いするけど。その飯屋で、ルノが喜ぶ姿を想像すると、自然と頬が緩む。その様子は、月影にバッチリ見られていた。
「おやおや〜?ガロウ、何か嬉しそうですね。何が嬉しいのですか?ルノとご飯に行くことですか?それとも、この前のデートを思い出したのですか?」
「うっ……うるせえ。大体、俺の気分次第で」
「すみませんでした」
「いつにも増して、早いな」
「何となく、後のセリフが読めたので。テテ堂没収だけは、お辞め下さい」
「お前、そういうこと以外に危機察知働かないのかよ……。吸血鬼として大丈夫か?」
「大丈夫です。美味しいご飯が、没収されたら、生きられなくなりますから」
「吸血鬼なんだから、血を吸えよ……」
「血は、種族上吸えると言うだけで、別に主食と言うわけではないのですよ」
「じゃあ、月影に取って血ってどんな食べ物なんだ?」
「別に足りている時は、それほど必要とはしていませんが、足りていない時は、取らないといけない大切な食べ物だと思います」
「おう、分かったよ」
「テテ堂に予約取りに行きましょう」
「そうだな。早くしないと、締め切られるぞ」
そう言っていたら、とんでもないスピードで、ダラグと月影が飛び出して行った。急いで外を見たら、もう見えない。そのスピードを、盗む時にも活かせ。と思ったが、言う相手がいなかったので、口に出せなかった。
夜に、ルノ達をテテ堂に連れて行ったら、大変喜ばれた。それを見て、俺も嬉しい気持ちになった。ルノは店主の娘のテテとも仲良くなっていたから、多分仲良くなるのが上手いんだろう。そんなことを思いながら、楽しい一夜はふけていった。
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