第2章31話 ダンジョンの探検(前編)

 ガロウさんと買い物をしていた昼下がりの事だった。

「じゃあ、今日は何をするか……」

「号外!号外!」

「ガロウさん、あれって何でしょうか?」

「ああ、新聞屋だな。号外って言ってるから、何か緊急で伝えなきゃいけない事があったのか?」

「一応貰っておきましょうかね」

「そうだな。新聞屋、もらってもいいか?」

「わかりました!」

「それにしても、どんな内容ですかね?」

「えーっと、『新たなダンジョンが発見されました。ドロップは人によって違うダンジョンですが、どういう原理か不明』だとよ」

「とりあえず、リナ達にも知らせましょうか」

「そうだな、一旦帰るか」

 私達は一旦帰ることにした。このダンジョンがどういったものなのか知りたかったため、いつもより少し早歩きで帰った。

 私とガロウさんは、ダンジョンの事をリナたちに伝える。

「新たなダンジョンですか……。面倒ですから、関わりたくないと言うのが本音ですね。ガロウ、その新聞を見せて下さい。場所が書いてあるでしょうし、その付近には……は?」

「月影様、どうしたのですか……うん?」

「なんか、おかしな事書いてあったか?」

「ガロウ!あなた、タイトルだけ見て、中身みていませんでしたね?!なんですか、このダンジョン!」

「え、本当にどうしたんだ?」

「モンスター、強い、けど、欲しい、もの、落ちる」

「え?そんな事書いてあったのか?」

「え?ガロウさん、もしかして本当に中身みていなかったんですか?」

「あ、ああ。ダンジョンはめんどくせぇくらいにしか考えていなかったから、中身は確認せずにおこうかなって……」

「その反応だと、ルノは見たんですね?」

「え?ああー、まあ見ました。一応確認しないとダメかなと思って」

「ルノ様、行きましょう」

「リナ、あなた食いつきが早いわね」

「私が、どれだけ悔しいかと思っているのですか?行きましょう、ルノ様」

「そういえば、あなた限定コスメが手に入らなかったって嘆いていたけれど、もしかしなくても、それ狙いね?」

「さすが、ルノ様!分かってますね!じゃあ、行きましょうか!」

「あー、待ってくださいよ、リナ!私達も行きますよ!」

 こうして、私達はダンジョンに行く事になった。なぜこうなったかは、私でも分からない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る