第2章16話 好きな飴って何だろな(sideリナ)(前)


「ルノ様、今日はどうなさいますか?」

「うーん、飴を貰ったからそろそろ消費しないとかな」

「飴って言いますと、ルノ様が貯めているあの飴ですか?」

「そうよ」

 ルノ様は、少し前から飴を貯めている。何故かは分からないですが、今日謎が判明しそうです。私は思い切って聞くことにしました。

「何故ルノ様は飴を貯めていたのですか?」

「リナが小さい頃から好きだったから、リナと一緒に食べたいかなって思って」

「確かに私は小さい頃から飴好きですね。では、今日のおやつは飴にしましょう」

 ルノ様は、私のために飴を貯めていたようです。すごく嬉しいなと思います。

 そして、おやつの時間になり、おやつを食べると、不思議な事が起こりました。

「リナー!」

 私は、飴を食べたらバタンと倒れました。しばらくして目を覚ますと、怪盗団の皆さんが勢揃いしていました。

 しかし、変化が起きていました。

「リナの体が……縮んでるー!」

「少し落ち着け、ルノ」

「子、ども?」

「リナの小さい頃ってこんな感じですかね」

 多分、みんな悪意はないのだが、そう大声を出されると……。

「うっ、うぇぇぇん」

『?!』

 泣いてしまった。ルノ様に必死にあやされて落ち着いた。そして、原因は飴だった。

「あー、完全に1部が魔法食物になってますね」

 魔法食物とは、保存が長い食べ物にたまになる現象である。例を出すなら、餅や星の旅人が持ってきた味噌など。まぁ、頻繁になりやすいのは餅だ。

 魔法食物の原因は、時間が経過すると共に、魔法を使う時に使用するマナと呼ばれる物質が、長期保存が可能な食べ物に蓄積しやすいため。対策としては、魔力が少ない人に料理を作らせるか、さっさと食べるかの2択だ。

「まぁ、しばらくすれば治るでしょう。そこまで心配しなくても大丈夫ですよ」

「リナ、とりあえず今日は私が色々やっておくから休んで」

「ルノしゃま、わかりまちた」

「舌っ足らずになったのね。可愛い」

 そして、その日の夜にさっさと寝ようとして自室に行ったら、衝撃の光景を見た。

(誰かが、いる……)

 しかも、アジトにいるメンバーではない。全く知らない人だった。何も見なかった振りをしてみんなに知らせようとしたら、背後を見ていなかった。

 あの人の仲間らしき人が薬品を私に嗅がせる。私も咄嗟のことだったので、反応が遅れた。

(ね、ねむ……ぃ……)

「(おい、1個ないのはこいつが食ったんじゃね?)」

「(そうっぽいな。じゃあ、こいつを持って帰るか)」

 私は、そのまま意識を手放してしまった。


 🕸🕸🕸


 私は、リナの後から、リナとの部屋に入ることにした。部屋のドアをノックした。

「リナ〜、ルノだよ」

 しかし、返事がない。先にリナが帰って行ったのに。

「リナ、入るよ」

 部屋に入ったら、窓が空きっぱなしで、そこにリナの姿は無かった。

「リナ……?」

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