第2章10話 後輩との出会い

 私達がある夜、盗みに出かけたら、同じ場所に怪盗がいた。こういう事は、今までに起こった事は無い。予告状を他の怪盗にも出すからだ。と言う事は……。

「ガロウさん、泥棒がいます」

「とりあえず、街の警備員につき出そうぜ。怪盗は、社会的に保証されるけど、泥棒は、保証されねーからな」

「そうですね」

 そんな話をしていたら、相手はこんなことを言ってきた。

「待っ、待って下さい!自分は、星々怪盗団の団員です!」

「いや、じゃあなんで俺たちと同じ所に盗みに来てんだよ?」

「お恥ずかしながら、自分は1番下っ端で、上の言う事を聞いているんすよ。今日も上から指示を頂いたので、ここに盗みに来たっす」

「とりあえず、盗む物が同じなら、容赦しませんけど、盗む物はどういうものでしょうか?」

「ツボっす」

「私達は、絵画だから、大丈夫ですね」

「いや、俺たちもムグッ」

 私は、ガロウさんの口を押さえて、目の前にいる人の反応を伺った。

「ありがとうっす!」

「じゃあ、とりあえず外出ましょう。ここに居続ける事も危険ですし」

「それもそうだな」

「わかったっす」

 それから、私達は外に出た。その時に、名前を教えた。何でも、ルルさんと言うらしい。そこで、ルルさんがガロウさんに、こんな質問をした。

「ガロウ先輩。星々怪盗団の話をした時、ちょっと苦い記憶を思い出したかのような顔をしていましたが、何かあったんすか?」

「大した事じゃねぇが、思い出してな。星々怪盗団は、別名トカゲのしっぽ切りの怪盗団と言われてて、質がわりぃんだ」

「と、言いますと?」

「要するに、いらないやつはソッコー捨てられんぞ。あとは、気にいらないやつからいじめられる」

「要するに黒い怪盗団って事ですね。なぜ、怪盗団としての権限が剥奪されないのか不思議です」

「怪盗団って、どこも同じじゃないんすか?」

「私達のところは、比較的白いです。ただ、能力が強くないと、雇って貰えないですけど」

「そ、そんなぁ」

 そんな話をしていたら、ルルが肩を落として、ガッカリしていた。

「やっぱり、自分のところはブラックだったんすね。自分は、筆記で受かっただけですけど、受かった途端に勧誘してきたところに入ったんすよ。それなのに、入ったら態度が変わってしまったっす。どうしたらいいか、分からないっす」

「簡単な話は、独立すればいいんじゃねぇか?」

「確かに、そうっすね」

「ルル、頑張ってね」

「ありがとうっす」

 その数日後、ルルはブラックだった、星々怪盗団から独立できたらしい。どうやら、その時に、星々怪盗団がお宝を返していないと言うことも発覚して、星々怪盗団は、解散。団長と幹部は、怪盗として働く事ができなくなった。

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