第2章23話 ルノの誕生日(???視点)

 日付が戻って6月10日。ルノが誕生日を迎えた。あと1回でルノはフォルケル国で成人になる。それでは、彼女達の様子を見てみよう。ルノじゃないなら、私は誰かって?それはーーー。

「ルノ、誕生日おめでとう」

「「「おめでとう(ございます)」」」

「こんなに立派なケーキ!ありがとう」

「ガロウが張り切っていましたから、こんなに大きくなったんでしょうね」

「えっ、ガロウさんが作ったの?」

「月影、後で覚えてろよ……」

「まぁまぁ。今日くらいはいいじゃないですか。ガロウさんの気持ちも嬉しいです」

「ガロウ、ルノがこう言っているので見逃してくれませんか?」

「くっ……。今日だけだぞ!」

「わかりましたよ」

 ドドドドッドンッ

「なんの音だ?」

 ガチャッ

「宵闇怪盗団、大変だ!今、すぐに怪盗団ギルド本部へ来い!」

「えっ?」

「何かあったのか?」

「大型の『むくろの花』が発生した!早く処理しないと、やべぇ!」

「『骸の花』?!しかも大型だと?!ルノ、リナ、悪いけど、着いてきてくれ!」

「「わかりました!」」

『骸の花』。発生したらすぐに対処しないといけないわね。『骸の花』は死者が出現させる黒一色の禍々しい花。私はあれが大っ嫌い。だって、匂いを嗅いだ者を死者にするから。さて、ルノ達はどう対処するのかしら?

「着いたぞ!」

「確かにこれは大型の『骸の花』……!とりあえず攻撃して小さくしないと!」

「小さくなったら氷属性と炎属性の魔法使えるやつ集合!あいつを凍結した後焼き払う!」

『おう!』

「あいつが咲く前にけりつけるぞ!」

『おう!』

「全軍突撃ー!」

『おおー!』

 対処法はあっているから問題ないわね。花が咲いたら匂いが出る。だから、攻撃すると小さくなる性質を利用する。そして凍った後に焼き払う。

 私の予想通り、すぐに片付いた。

「じゃあ、後日特別報酬が払われるから、特別報酬を待てよ!」

『おう!』

「じゃあ、俺らも帰るか」

『はい』

 そして宵闇怪盗団は自分達の所へ帰った。彼らは頑張っていたから、少し勇気を出してもらおう。

「それじゃあ、ケーキ食べましょう!」

「そうだな」

「その……もし良かったら、ガロウさんアーンしてくれませんか?」

「えっ」

 シュッシュッシュッ

「逃げるのがはええよ!戻ってくれ!」

「その……嫌ですか?」

「うっ……。ホイ、アーン」

「アーン」

 2人にさちがあるといいわね。後でお母様に頼み込んで恋愛の神に成就させようかしら?いや、2人にはきっと必要ないわよね。

 私の名前はシャルロッテ。この世界、シャルロッテの神。また会えたら嬉しいわ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る