第2章33話 ルノとガロウ(前編)

 そろそろ私の誕生日が1ヶ月を切る前。

 ガロウさんから、話があると言われた。真剣な面持ちで言われたので、私も真剣に話を聞かないといけないと思い、どんな話が出てくるか、予想をしてみた。が、分からなかった。

 大人しくガロウさんの元へ行くことにする。ガロウさんは相変わらず、真剣な表情だった。

「ガロウさん、どうかしましたか?」

「なぁ、ルノ。お前って誕生日があと1ヶ月くらいだよな?」

「ええ、そうですね」

「誕生日当日に俺たちの結婚式を挙げないか?」

「えっと、確認のために聞くんですけど、その結婚式って、私とガロウさんの?」

「他に誰がいんだよ」

「あ、まあそうですよね」

 私は全身が熱くなるのを感じた。なぜなら、ガロウさんと夫婦になれるためである。全身が脈打ってたまらない。身体が火照っている気がする。

「そんなに分かりやすく喜んで貰えると、こっちも頑張った甲斐があるってもんだな」

「えっ!そんなにわかりやすいですか?」

「そりゃあ、な」

「ううー」

 そこで私はガロウさんの足元を見たが、ガロウさんもしっぽが出ていて、嬉しそうにパタパタしていた。私はその事は指摘せずに顔を上げて、結婚式について話した。

「結婚式のプランについて話したいという事でしょうか?」

「まぁ、それもあるけど、結婚するかどうかも聞きたかったが……。まぁ、結婚するんだろうな」

「そうですね、それは私の反応を見て感じ取ったんですか?」

「それもあるけど、俺がルノが隣にいない世界が想像出来なかったんだ。そこから、『ああ、俺はルノ無しではもう生きていけないんだな』って考えるきっかけになったんだ」

「私も同じですよ。ガロウさんを好きになった日から、私はガロウさんが隣にいない世界を想像出来なくなりました。だから、私もガロウさんと一緒に夫婦として、ガロウさんの隣を歩いていきたいです」

「ルノ……」

「私達、似たもの同士ですね」

「……フッ、そうだな」

「ちょっと、なんで笑うんですか?」

「いや、なんでもねぇよ」

 私達が結婚する事を他の人にも言わないといけないと思い、まずは宵闇怪盗団の他のメンバーに言う。

「俺たち結婚する事になった」

「ルノ様、ガロウ様、おめでとうございます」

「ようやくですか、めでたいですね」

「おめで、とう」

「ありがとうございます!」

「ああ、ありがたい」

 そして、私達の結婚式をするためにお世話になった人達に結婚の報告に行く事になった。

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