概要
雷神・アズマと暮らす人間・八頭時男は、非正規の死神。
この世には「この世で起こった事は、全てこの世で解決しなければならない」と言う摂理があり、死を受け入れず怪しげな呪術師を雇い、死神を撃退して命を繋ごうとする者へ冥府が差し向けられる、この時だけ招集され死神だ。
八頭へ与えられるのは姿を隠す隠れ蓑くらいであり、目的地へ命懸けで向かわされる。呪術師の罠をアズマの力を借りて撃退した時男は、死神と共に老婆へ死を告げる。
消耗した八頭を慰めるのは、アズマと共に食べる焼き芋と、この仕事は早世した恋人から引き継いだという責任感だ。
第2章
甘粕亜紀は防犯課少年班に所属する婦警だが、管轄外の事件に首を突っ込みたがる。
彼女が魔王と契約した内容は、「自分が異常だと感じる事件に全力で協力す
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!少しの諦観と圧倒的情熱! 大人の為のファンタジー
「Winning!」を読んで世界観を気に入って!こちらの作品を読みました。
ベクターフィールドさんの性格が一貫してながらも、悪魔時代とは違った(設定上必要な)欠陥と成長が見られる所が凄くて唸りました。
冥府や悪魔や非正規の死神等の独自設定が今作では悪用されていて世界観の広さに恍惚としました。
社会に揉まれた人々のどうしようもない諦観や人間のダーティーな部分が程よい重さで書かれながらも、バトルシーン等の要所要所が読んでて童心にかえる程に熱くて格好が良くて魅せられました。
この世界の話がどうやら他にあるようだ、この世界の話が続くようだということが非常に喜ばしいです。今後も楽しませていただき…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死にたがりだと諦めたわたし
この小説には様々な職業?を持った人間?が登場します。
死神に警察官に女子高生に魔王に雷神に非正規社員、幽霊に呪術師までも。
そんな彼らが『死』という概念について深く踏み込んでいきます。
人間ではないキャラクターもたくさん登場しますが、彼らはみな理由があって行動しています。だからこ、そこの小説には深みがある。表層だけではないから。誰かの行動が何かを誘発し、それによってまた何かが発生する。それは残酷であることがほとんどで、同情したくもなりますし、憤りを覚えることもありますが、『死』と言う紛れもない現実の前には太刀打ちすらできません。だからこそ、私たちは生き続けるしかないのです。
特に最終盤…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魔王と死神
魔王と死神が登場します。
そう書けばとごかおどろおどろしい雰囲気ですが、この物語に登場するキャラクターはどこか違います。
なぜか皆、人間くさいのです。
個人的にはいつも食事中に呼び出されるベクターフィールドが大好きです。
そして映画化してもいいんじゃないとおもえるほどの完成度の高さです。
亜紀はどの女優さんがいいのか、八頭はどの俳優さんがいいのかなと勝手に妄想してしまいます。
それほど物語としての面白さは折紙つきです。
また守る価値がある人間とはというような深いテーマも潜んでいます。
ただ、難しく考える必要はありません。
魅力的なキャラクターたちとスピーディーなストーリー展開にきっと目が離…続きを読む - ★★★ Excellent!!!学ぶべき点が多い、お手本のような良作
この作品には、良い所がたくさん有る。
細やかでありながら、大胆な設定。濃厚でありながら、読みやすい描写。迫力の戦闘シーン。
簡単に書き出しても、百点満点中の百点に近い。
だが何より特筆すべきは。本作の登場人物達から、優しさと哀しみ、そして強さも弱さも、美しさも醜さまでもが感じられる点だろう。
……私の語彙力では、このようなありきたりな表現しかできないのがもどかしい。
今、このレビューをご覧の諸兄が「読み応えのある、お腹いっぱいになるような作品が読みたい!」とお望みならば。
私のレビューなど今すぐ読むのを止めて、本作を読むといい。
この『Rising!-雷神×死神/喪女×魔王-』は、間違…続きを読む