嫌な仕事は非正規の死神へ、困難な事件は名ばかり管理職の魔王へ
第1章
雷神・アズマと暮らす人間・八頭時男は、非正規の死神。
この世には「この世で起こった事は、全てこの世で解決しなければならない」と言う摂理があり、死を受け入れず怪しげな呪術師を雇い、死神を撃退して命を繋ごうとする者へ冥府が差し向けられる、この時だけ招集され死神だ。
八頭へ与えられるのは姿を隠す隠れ蓑くらいであり、目的地へ命懸けで向かわされる。呪術師の罠をアズマの力を借りて撃退した時男は、死神と共に老婆へ死を告げる。
消耗した八頭を慰めるのは、アズマと共に食べる焼き芋と、この仕事は早世した恋人から引き継いだという責任感だ。
第2章
甘粕亜紀は防犯課少年班に所属する婦警だが、管轄外の事件に首を突っ込みたがる。
彼女が魔王と契約した内容は、「自分が異常だと感じる事件に全力で協力する事」だ。
亜紀が遭遇した事件は、児童売春かと踏み込んだ現場で見た錯乱した女子生徒を切っ掛けに浮かび上がった怪事件。
魔王の協力によって悪魔の体液を凝固させて作った薬が事件の鍵だと判明し、警察では解決できないと立ち向かう二人。
悪魔を撃破するも、罠によって死した亜紀を魔王は生還させた。
第3章
例え殺人鬼に殺された霊の復讐でも、生者に害する霊の排除も八頭の仕事。
疑問を持つアズマだが、八頭は殺人鬼クリスを霊からは守るが警察へ引き渡す事で解決を図る。
だがクリスを狙う霊はパトカーの中にも侵入していた。
クリスは殺されても仕方ないというアズマに、八頭はアズマとも共に過ごした相手から引き継いだ仕事だと説得する。
霊を討ったアズマは、三人で食べたオヤツを要求するのだった。
第4章
亜紀は合コンに失敗して凹んでいても、非行少女が事件に関わっている可能性あり、迅速な行動が必要ならば寝ている魔王も叩き起こす。
魔王の調査により、非行少女は美人局グループに所属させられている事が判明。
同時に亜紀の熱心さは非行少女にも伝わっており、助けを求める電話が来る。
急行して非行少女を助けるが、魔王はここにも悪魔が関わっている事を掴んでいた。
解決しても、対応の不備で始末書を書かされる亜紀は警察官が天職だった。
第5章
亜紀が初めて担当した事件の容疑者が起訴された、と被害者家族に報告する。
ネットの成り済ましによって少女が自殺に追い込まれた事件は、魔王との出会いでもあった。
捜査は難航し、少女を自殺。
自殺現場にいた魔王は、死神から命辛々逃げだし、亜紀と出会う。
初めて魔王に助力を仰ぎ、容疑者・明津を確保するも微罪。
それでも感謝の言葉を向ける両親に、この事件で最も大きな損害は、この両親に育てられた娘を死なせた事だと思い知らされる亜紀。
第6章
亜紀と出逢い、楽しい時間を過ごす八頭へ、明津へ霊が復讐に向かう事が告げられる。
霊は亜紀と魔王が出逢う切っ掛けとなった少女であり、亜紀も魔王と共に拘置支所へ向かう。
明津を襲撃するため爆破された拘置支所で魔王と八頭は対峙。
死力を尽くした二人の前へ現れた霊の凶行を止めたのは、亜紀の涙ながらの言葉。少女は人を殺せる性格ではなかった。
解決かと思われたが、脱走してきたクリスが明津を刺す。
事件の裏にいた呪術師の差し金だった。
第7章
自殺した少女の魂――「人間に生まれてくる権利」を取り戻すため、四人は協力。
呪術師の調査へ向かった魔王と分断されるも、決戦の地へと赴く四人。
呪術師は霊を集めた巨人を繰り出し、亜紀を庇った八頭が倒されるも、戦う決意をしたアズマが戦況を覆す。
死神の力を得て復活した八頭も加わり、霊は倒さた。
逃走を図る呪術師と阻止する亜紀。
クリスを霊にする呪術師だが、クリスの霊は呪術師を斬る。クリスは「殺される事と死ぬ事は違う」と気付いたのだ。
死神の一撃でクリスの霊も消滅し、一連の事件が終息。
第8章
八頭は相変わらず上司にどやしつけられ、亜紀の仕事も変わらない。
だが平穏があり、今日も魔王は昼食中に呼び出される。