創作する理由とか受賞したい理由は人それぞれにあるのでしょう。お金だと言う人もいれば、名誉だと言う人もいると思います。
玉椿沢さんがカクヨムコンで受賞したい理由は、私が応援したくなるものでした。
ここに書かれている事を見た上で、もう一度、物語を読んでいくと思う事があります。
物語の中で大暴れさせたいと言うキャラクターたちは、玉椿沢さんに寄り添って孤独を埋めていったように、加害者の敵になる事を選ばず、被害者の味方でした。
加害者をボコボコにして爽快感を出す事の多い小説が多い中、被害者の側よりも傍に立つ物語を書いている理由が、ここにあると感じました。
こう言う人こそ世に出て欲しい。
本当にそう思います。
ああ、そんな記憶もあったなぁ……と、幼少期を思い出させてくれるエッセイです。
大人になってから見ると、雲は雲でしかなく、ソファーはソファーでしかなく、数千円のおもちゃは数千円のおもちゃでしかない。
しかし、思い返せば、ごっこ遊びの中でヒーローを空想する自分は、雲を侵略者のUFOに見立て、ソファーの後ろを秘密基地にし、数千円のおもちゃは人類の危機を救う奇跡の聖剣でした。
そんな、幼少期の空想の記憶を今も大事にする著者の作品には、あの頃夢見たような無限の世界が広がっているのではないかと思わせてくれます。
小学生の頃ってどんな遊びしてたかなぁ。
そんなことを思い返す前に、是非ご一読ください。