私もネガティブだから、勝ち負けとか、悪意や敵意を投げつけられるゲームというのは、長く続けられないし、対戦ってこう、頭が真っ白になったり、手汗かいたり、もしかして煽られてるんじゃないか…って不安になったりするんですよね。
味方と敵で戦う「チーム戦」は私はやったことがないので、想像でしかないですけど、問題は敵じゃないんですよね。たぶん。味方同士で如何に楽しめるか。
最高の味方と、出逢えたんだと思います。
現実のゲームでライバルと言える存在って中々無いからこそ、ライバルってなんかこう、敵であり味方であり、みたいなところがあるなと感じて、めっちゃくちゃカッコよかったです。めっちゃ泣きそうになりながら最後の方は読んでました。
いい物語を読ませていただいて、ありがとうございます。これからも応援させていただきます。
フルダイブ型VRMMOゲームを主題に、それで遊ぶゲーム同好会の日々をつづる物語です。
人型兵器をロボットと呼ばず、メカと呼ぶところに作者のこだわりを感じます。冒頭から語られるコックピットの描写やゲームの展開も同様に、メカアクションに対する愛情にあふれています。
ゲームを題材にした小説は数あれど、ゲーム内での出来事をメインとせず、ゲーム同好会の日常や、ゲームと地続きになっている登場人物の人間関係を描いている物語は非常に珍しいです。
同好会メンバーも、キャッチコピー通り「アホしかいない」は言いえて妙。
彼氏がいないメンバーを「さもしい女の集まり」と自虐的にいう部長の晶。
主人公の惇に対し、「やおい穴にココナッツぶちこむぞ」といえるくらいアドバンテージを持つ従姉の弥紀。
留学生で、ゲームも得意だけれど運動もできるけど、バイト先で万引き犯を捕まえても「オアイソお願いします」と怪しい日本語を使うサム。
顧問の高浜も妹の晶には弱い等、人間関係も軽妙で面白い。
でもゲーム内では激しく、悪意や敵意を向けられる展開もあり、同じようにゲーム内で知り合ったクォールとの一戦は、互いにゲームを楽しんでいることがありありと浮かぶくらい濃密な展開も。
振り返り私たちの現実では、もう大抵の人がスマホを持ち、隙間時間があればソシャゲをする、動画配信でも5分もあれば終わるFPSをゲーム配信者が繰り返していると、ゲームは数ある遊びの中の一つになっています。
そんな中で、90年代や00年代の「日曜日にはゲームソフトのチラシが入っていた頃」のゲームは特別な遊びだった頃を思い出させる、ノスタルジックさと真新しさがある傑作です。
フルダイブ型VRゲーム「Riot Fleets」で遊ぶゲーム同好会へ入った惇。
「Riot Fleets」とは、惑星間戦争を背景に、艦隊戦とメカバトルを行うシューティングゲームのことです。
本作はゲームのことばかりではない、惇自身の心情と人間関係、名も知れぬプレイヤーとの関係も描かれている点が評価高いです。
「Riot Fleets」のプレイの様子は現実の動画サイトのプレイ動画に似ているものの、物語という点で、人間関係の要素が加わるためその部分が面白いです。
敵との共闘や仲間からの救援など、物語だからからこその楽しい要素があります。
初心者の惇が「Riot Fleets」の楽しさを知り、積極性を見せる中で、ゲーム同好会の部長・晶にも熱が入ります。
ただ、勝つだけが面白さではない。どうプレイしたいか。チームで方針を決め、練習して、実践する楽しさ。そして、それが実る格好良さ。
「Riot Fleets」の楽しさを通じて、様々な考えや感情に触れていく惇。
惇が自覚しているかは不明ですが、明らかに、前よりも楽しい学校生活を送っています。
少々悲観的で、流されやすい性格を自覚していた彼が、無自覚にも「Riot Fleets」と同好の人々を通して変わっていく。
ゲームの楽しさ、そこで育まれる人間関係。それを物語を通じて教えてくれる作品です。