僕のうた
千千
何処かで誰かが
なんじゃと!わらわの子らが、そなたの子らよりも劣ると申すのかっ。
また揉めておるの。
そうじゃの。
よく飽きんの。
事実を言ったまでじゃ。ほっほ、そなたは被害妄想が激しいぞよ。
また落ちるかの。
そうじゃの。
最近ちと多いの。
ぐぬぬぅ…。ま、まぁ、ふっ、そなたが手を貸しまくり力与えまくりのご都合主義の世の子らと比べるほうが馬鹿げておるというものよ。ふぁっふぁっ。
多いと言えば、わしとこの子ら、召喚されすぎじゃの。
わ、わしじゃないの~。
ふんふ~ん。じゃあ今度はどこの子にするかの。
かっ可愛がっておるだけじゃ!何が悪いのじゃ!
そもそも召喚せずともよい世にするべきじゃの。
甘やかすだけでは成長せぬわっ。
………………やばいかの。
聞こえはよいが、そなたのは放置じゃっ。
む。わしの世が悪いと申すかの。
見守っておるだけじゃ!
むふ~ん。そこまでは言っておらんもんの~。
噓をつけっ。面倒くさいだけじゃろう!
………。
………。
来ちゃうの。
カッッッッッッ!!!!
「「「「「あ」」」」」
野宿をしていた筋骨隆々の冒険者は、【薬草や謎の液体が入った瓶に埋めつくされた部屋で何かを研究していた自分】を、
ジャージを着てソファーにごろりと横たわり、菓子を摘み、テレビを観ながら大笑いしていた母親は、【侍女にぎゅうぎゅうとコルセットを締めつけられながらドレスに着替える自分】を、
漁師だった、詐欺師だった、王様だった、
笑っていた、泣いていた、
花を描いていた、川で泳いでいた、
愛を告げていた、やけ酒を飲んでいた、
ライオンだった、キリンだった、
ミナミコアリクイだった、
トゲアリトゲナシトゲトゲだった、
【自分】を、
思い出した。
………………………………………。
あー…ええと、
まぁ…なんというか、
大丈夫じゃろうて…そのうち、
――――忘れるから――――
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