概要
裏切りの聖女はきっと諦めない。逃れることは不可能だ。
――勇者と魔王の戦いが続く世界。
勇者たちは魔王を討伐する為に、五人の選ばれしパーティを組み魔王城を目指す。
魔王を倒せば、永遠の幸せが訪れてハッピーエンド。
……だったならなんて分かりやすいストーリーだろう。
そんな世界だったら本当に良かったのにと、少年ベルヌは心の底から願っていた。
彼は最強の能力をもち、転生すれば寿命も無限。
何度目の転生の後か、彼が想い描くのはまあまあの平和。
つまり彼はこう考えたのだ。
「俺が勇者と魔王をやろう」
死者を少なく、戦争を起こさず。
だけど勇者と魔王は戦ってますよー的なアピールは民衆にしつつ。
争いが続く人間の世界に平和が訪れんことを願い、また魔物の無駄な犠牲を減らすためにベルヌは偽りの勇者として魔王城を目指す。
巨大な敵