概要
上級国民の妻になるため、日夜研鑽を積むが、身請けはなかなか決まらない。
瑞樹とあーちゃんは焼き豚の夢を見られるのか。
少女たちのディストピア。
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- ★★★ Excellent!!!国に徹底管理された学校で、少女たちの儚い願いは成立するのだろうか
国選花嫁専門大学校。
未来を担う淑女を育てる女子学校、と言えば聞こえはいいけれど、その実態は金銭で少女たちを売買する「娼婦専門学校」。
そこに在籍する少女たちは、それぞれが複雑な事情を抱えているものの、ちゃんと人生に目標や娯楽を見出して楽しんだりもしている、一見普通の女の子たち。
物語も、ある二人の少女の、どこか滑稽でいたって平和に見える、学園内の穏やかなシーンから始まります。
主人公・不破瑞樹は、激動の過去を生き抜いたあとでこの学校に入り、友人たちと不思議な友情を築きながら、強く生きていましたが…。
少女たちの運命。儚い願い。
彼女たちを翻弄する、歪な社会。人類がたどり着いた未来。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この題名の意味を知る時、一度は涙し、二度目は絶望する。
衝撃作。この一言に尽きる。主人公の僕が幼かった時、世界は犯罪やテロ、難民や格差であふれていた。僕はその波に押し流されるように、国選花嫁の専門学校に入学することになる。そこでは友達や先生に恵まれ、身請け(卒業)のために環境が整えられていた。国選花嫁とは、つまりは、国の政策によって作られた娼婦に他ならなかった。より高い娼婦となるために、日々、学校で様々なことを学ぶのだ。だから僕は、豚だった。より奇麗で、より男の好みに合う豚になるために、少女たちは研鑽を積む。あるクラスメイトは出戻りでありながら、外国の大金持ちに身請けされた。一方僕の友達は、二束三文で身請けされた。
そしてついに、僕にも身請け…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ちょっぴり百合でがっつりディストピアな日常系女学校SF
物語の舞台となるのは、今よりずっと退廃しているちょっと未来の日本。そこではさまざまなろくでもないビジネスが横行しており、本作に登場する「国選花嫁専門大学校」もその一つ。
表向きは若い女性に無償で最新鋭の技術と教育を与えて、上級国民との出会いを与えるというものだが、その実態は、生徒を最新技術の実験材料にして、さらに金持ちに半強制的に身請けさせるという酷いところ。生徒の一人である不破瑞樹に率直に言わせれば、娼婦養成学校であり、生徒たちは皆豚ということになる。本作はそんなろくでもない学校が舞台の学園生活を描くディストピアな日常系作品なのである。
別に将来の見通しが悪くたって、現在のうちからうつ…続きを読む