この題名の意味を知る時、一度は涙し、二度目は絶望する。

 衝撃作。この一言に尽きる。主人公の僕が幼かった時、世界は犯罪やテロ、難民や格差であふれていた。僕はその波に押し流されるように、国選花嫁の専門学校に入学することになる。そこでは友達や先生に恵まれ、身請け(卒業)のために環境が整えられていた。国選花嫁とは、つまりは、国の政策によって作られた娼婦に他ならなかった。より高い娼婦となるために、日々、学校で様々なことを学ぶのだ。だから僕は、豚だった。より奇麗で、より男の好みに合う豚になるために、少女たちは研鑽を積む。あるクラスメイトは出戻りでありながら、外国の大金持ちに身請けされた。一方僕の友達は、二束三文で身請けされた。
 そしてついに、僕にも身請けの話が舞い込んだ。
 しかし、ここから物語は暗転するのだった。
 次々に襲う衝撃の連続。
 過去と確実につながる僕の名前。
 僕の過去の名前を呼んでくれた人。
 「焼き豚」。
 この単語が意味する本当の意味を知る時、あなたは号泣し、戦慄する!
 そして、次々に回収される伏線と、加速する物語。

 この作品は、超重量級の物語であり、かなりの没入感があります。感情が物語に攫われていくという感覚が、いつまでも残ります。

 是非、是非、御一読下さい!

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