国に徹底管理された学校で、少女たちの儚い願いは成立するのだろうか

国選花嫁専門大学校。
未来を担う淑女を育てる女子学校、と言えば聞こえはいいけれど、その実態は金銭で少女たちを売買する「娼婦専門学校」。

そこに在籍する少女たちは、それぞれが複雑な事情を抱えているものの、ちゃんと人生に目標や娯楽を見出して楽しんだりもしている、一見普通の女の子たち。
物語も、ある二人の少女の、どこか滑稽でいたって平和に見える、学園内の穏やかなシーンから始まります。

主人公・不破瑞樹は、激動の過去を生き抜いたあとでこの学校に入り、友人たちと不思議な友情を築きながら、強く生きていましたが…。

少女たちの運命。儚い願い。
彼女たちを翻弄する、歪な社会。人類がたどり着いた未来。

瑞樹を中心に、小さな想いと大きな世界の渦が交差し、ぶつかり合い、混ざり合う。
終盤のクライマックスは、彼女たちの運命から片時も目が離せなくなります!

どうか最後まで、瑞樹たちの辿る運命を見届けてください。
個人の自由と社会の在り方について、さまざまなことを考えさせてくれる作品です。

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