学校一の美少女が俺の持ち物に難癖をつけてくるんだが。

ラブコメとして最高です！

「そんなダサい時計初めて見た」

クラスで隣に座った女子にそんなこと言われたら泣く自信があるね。

彼女の接触の導入は辛辣だけれど、興味はある様子。

同じ時計を買い、身に付けるようになる。異性と同じものをつけると親密度が上がる作用を期待してるみたいだ。

首輪をつけるみたいに外堀を埋められてる気がしないでもないが、いじましさは満点。早く気づけ、主人公。

近頃のカクヨムではやたら強いジャンルであるところのラブコメ。いずれも面白くて、こうした人気作を読むたびに「クラスメートの女子からもっと絡まれたいだけの人生だった……」と思ったりするのですが、本作もそんな感じの一作です。

ただ本作で特徴的なのがヒロインである篠原水希の絡み方で、たとえば腕時計、たとえばスニーカーといった具合に彼女はやたらと主人公である高槻悠太の持ち物に目をつけて絡んでくるのです。

社長令嬢からすれば下々の民が身に着けるものなどさぞ珍しいのだろう……と思いきや、実際悠太の持ち物は最近の若者にしては少々古臭いセンスのものだったりします。それもそのはず、悠太が身に着けているのは父…続きを読む

父親の形見や遺言とはいえ、モノを大切にしようとする主人公。
男心をくすぐるような専門知識も多数散りばめられていて、それがラブコメに色をあたえています。

とっても好感の持てるお話しでおススメです！

あまり野暮なことは書きたくない。
ゆるやかに始まった日々、ヒロインの難癖に始まり回想されいま始まる物語。
ひとつひとつがとても丁寧なエピソードで読み応えがある。
ということで、読もう。