2話 その時計どこで売っているの?
「そんなダサい時計初めて見た」
学校一の美少女、
(こいつってこんなキツイ性格だったのか?)
他のクラスメイトと喋っているときはいつも
「よくそんなダサい時計を付けてきたわね」
篠原は周りには聞こえないくらいの声量で俺に言う。言っていることは散々だが、美しいアルトの声は俺の耳をくすぐった。
「ダサくて悪かったな。これでも気に入っているんだ。防水で、衝撃に強くて壊れにくい」
俺は黒いウレタン素材の自分の時計を見つめる。確かに
四角い液晶の文字盤を覆うガラスは傷だらけで、それはそれで味があると自分では思っている。新品に買い換えるつもりはない。
確かに社長令嬢からしてみれば、とんでもない安物に違いない。実際、7千円も出せば、新品が手に入るのだ。
「それで?」
「ん?」
「その時計はどこで売っているの?」
「は?」
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