第6話『ここは夢の国なのじゃ』


「おぉ……凄いのじゃ……!」

「ほらメルゃ。あまり遠くに行くと迷子になってまうよ?」

「大丈夫! メルはこう見えても大人なのじゃ」


 今日は婆っちゃと近くのリサイクルショップに来たのじゃ。婆っちゃと出会って結構になるけど、ここに来たのは初めてじゃ!

 なんだかとってもワクワクするのじゃ〜!


 あれも、これも! 見たことないものがいっぱいあるのじゃ……

 あっ、あれはネットで見たことがある!

 おお! テレビがこんなにズラリと並んでおるのじゃ~っ!? センプーキ? ふらいぱん?

 たわしもある! 何じゃここは! ここは夢の国なのじゃ!




 ……あれ? 婆っちゃがいない?





 仕方ないなぁ、婆っちゃが迷子になってしまったみたいなのじゃ。


 そ、それにしてもここは……何というか、広いのじゃ。周りには知らない人がいっぱいいるし……


 べ、べべ別に、こ、怖くなんかないのじゃ! は、はやく婆っちゃを……


「痛っ……のじゃ……」


 うぅ、物が所狭しと並んでいてつまずいてしまったではないか……

 いたた……おでこを打ったのじゃ……


 さ、さみしくなんか……


「お嬢さん? どうしたのかな~? もしかして、迷子になったのかな?」


 のじゃ?

 メルはメルじゃ。迷子じゃないのじゃ。

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