第43話『正直、浮かれているのじゃ』


 ルンルン♪ルンルン♪


 ムフフ……


「メルや、何をニヤニヤしとるんや。まーた悠人の事考えとったなぁ?」

「なっ、そ、そんなことないのじゃ!」

「若いっていいなぁ。明日はデートやろ、また図書館かえ?」

「こ、今度は隣町の公園にピクニックじゃ……むぅ」

「ほんならお弁当、作らんとな。手伝ったるから一緒に作ろ」

「お、おうなのじゃ。悠人、喜んでくれるかの?」

「当たり前やろ、メルが作ったんやから喜ぶに決まっとるわ」


 ムフフ……いかんいかん、ついついニヤニヤしてしまうのじゃ。

 正直、浮かれているのじゃ〜!


 明日のピクニック、楽しみじゃな〜。


 ん、郵便かの?

 婆っちゃは手が離せそうにないな。メルが受け取ることにしようか。


 どれどれ。宛名のない白い封筒。

 中を見てみようかの……



「のじゃ……?」


「メル、どうかしたんかね?」


「いや、何でもないのじゃ!」


 メルは慌ててその手紙を服の中に隠したのじゃ。

 しかし、あれは何じゃ?


『アノオトコトワカレロ』


 テレビで見たことあるのじゃ。新聞や雑誌の文字を切り取って文章にしたやつ……

 あれはよくないやつじゃ……


 婆っちゃには黙ってよう。心配させたくないのじゃ。明日、悠人に相談してみるかの。

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