第44話『脅迫状らしいのじゃ』


 悠人と一緒にピクニックに来たのじゃ。隣町の公園は大きいのじゃ。夏の終わりにはお祭りというのもやるみたいで、悠人と一緒に行く約束をしたのじゃ。今から楽しみじゃ。


 婆っちゃと作ったお弁当を二人で食べてポカポカ陽気の中、いつの間にかお昼寝してたのじゃ。

 ふと起きると悠人が何か描いているみたい。あ、あれはメルがあげたお絵描きセット!?


 そ、そんなさりげなく使ってくるとか……悠人のやつ〜にくいやつめ〜!


「やぁメル。気持ち良さそうに眠ってたね」

「やぁじゃないのじゃ……恥ずかしいではないか」

「気持ち良いもんね、この天気」

「ゆ、悠人は何を描いてたのじゃ?」

「え……あー、これだよ。公園の風景をね」


 なんと!

 めちゃくちゃ上手なのじゃ!?

 悠人のやつ、本当に絵が上手かったのか!


「メルがくれたお絵描きセット、これとても良いよ。これだけ本格的なものだからこそ、細かい色のグラデーションも描けるんだよ」


 んぎゃ……そ、そんな笑顔で見るんじゃないのじゃ。全く、眩しいな悠人は。

 でも、あれ……悠人?


「……悠人?」

「どうしたの?」

「いや、何でもない……のじゃ」


 気のせいかな。お、そうじゃ……昨日の変な手紙、悠人に相談するんじゃった。


「悠人、これは何か分かるか?」


 メルから手紙を受け取った悠人の表情は見る見るうちに曇っていくのじゃ。


「メル……これは多分……」

「多分?」


「……脅迫状だよ」


 きょーはくじょー?

 はて、あまり良くないモノなのは分かるが……

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