第31話『楽しい時間なのじゃ』



「ご馳走様でした!」


 ゆ、悠人は見た目と反して良く食べるのじゃ。まさか完食してしまうとは。

 重箱三段の豪華なお弁当は綺麗スッキリ、これだけ綺麗に食べてもらえると嬉しいのじゃ。


 あ、悠人の頬にご飯粒が。

 気付いてないのかな? と、取ってあげた方がいいの……かな?


「悠人、じっとするのじゃ!」

「えっ?」


 よし、取れたのじゃ。でも、これどうすれば。

 そうじゃ!

 勿体無いからメルが食べるのじゃ、はむ。


 あれ? 悠人は何故そんなに驚いた表情を?


 それからメル達は桜を眺めながら色んな話をしたのじゃ。悠人が小学生の頃の初恋の話とか、悠人がお婆ちゃんの駄菓子屋のお手伝いをしていたことがあるのとか、思い出話は尽きないといった感じなのじゃ。


 少し妬けるけど、凄く微笑ましいのじゃ。

 悠人が上京した理由は東京の美術学校に通う為だったそうじゃ。しかし途中で帰って来てしまったみたいじゃ。理由は色々あるみたいで、深くは聞かなかったのじゃ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る