なぐさめメルるんっ☆

カピバラ

第1話『メルはレジ打ちが得意なのじゃ』


 商品の在庫チェックは完了、


 チロルチョコ、チュッパチャプスはそろそろ入荷しないと……よし、婆っちゃに報告じゃ。


「婆っちゃ~、婆っちゃ~?」


 二階にいるのかな? 様子を見に行くのじゃ。


「おーい婆っちゃ~?」


 お、こんな所に居たのじゃ!


「おぉ、メルかぇ。いつも店番ありがとな。

 ほれ、チロルとチュパチャパパァの在庫が足りんのやろ? いま出しといたから、下に運ぶの手伝ってもらえるかぇ?」


 チュパチャパパァとは何じゃ……

 婆っちゃ、それはチュッパチャプスなのじゃ。


 この優しさをそのまま形にしたような人は婆っちゃじゃ。いつもこうやってメルの頭を撫でてくれるのじゃ! 非常に心地良いのじゃ~!


 身寄りのないメルはこの婆っちゃの家に住まわせてもらっているのじゃ。その代わり、一階の駄菓子屋の店番を手伝っているのじゃ。

 えっへん、偉いのじゃ。


 とはいえ、婆っちゃは歳の割にしっかり者だから、メルはいつも狭い店の中を練り歩いて時間を潰しているだけなのじゃ! ドヤ!


 夕方になると子供達が所謂『買い食い』をしにやって来るのじゃ。

 メルは代金をレジの中にしまうのが得意じゃ!


 チーン!


 ほら。開けると音も鳴るのじゃ。ふふん。


「メルや……壊れたレジで遊んでんとな、商品を渡してあげないけんよ?」


 婆っちゃはクスクスと笑いながらいつも同じことを言う。子供達まで笑ってるのじゃ……


「メルちゃんありがとうっ! エプロン可愛い!」

「メルちゃん、頬っぺが赤いよ?」

「メルちゃん! メルちゃん! またね!」


 なっ、メルが赤面!? ま、まぁ子供の言うことじゃ。気にはしないのじゃ。

 エプロンは婆っちゃがくれたのじゃ。ふふん♪


「メルや、恥ずかしがることはないやろ?

 ほら、夕飯の用意も出来たしな、今日は店をしまうかね?」

「う、婆っちゃまで……わ、わかったのじゃ」


 気が付けばこのような時間か。

 ……今日の夕飯は……鯖の味噌煮といったところか。婆っちゃの味噌煮は格別じゃ。

 いくら頑張っても、あの味は出せない……全くもって不思議じゃ。


 非常に興味深いのじゃ〜!

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