第38話『ケーキを作るのじゃ』
今日は日曜日じゃ。
悠人の誕生日の日なのじゃ。メルと婆っちゃは早起きしてバースデーケーキを手作り中。
お、スポンジが焼けたみたいじゃ!
婆っちゃが大きな手袋をはめて焼きたてのスポンジを出してくれたのじゃ。
メルはそれに混ぜ混ぜしておいた生クリームを綺麗に塗っていく役目。その間に婆っちゃは苺をスライスして満遍なく乗せたのじゃ。
更にその上から生クリームをコーティングして、ヘタを取った苺を綺麗に並べたのじゃぁ!
最後にチョコレートで出来た板に文字を書いて、
「おお、出来たのじゃぁっ!」
「上出来やなぁ」
ふふん、頑張ったのじゃ。
悠人は喜ぶかの?
ケーキは冷蔵庫で冷やしておいて、二階の飾り付けを急ぐのじゃ! 何だか楽しいのじゃ。
人の為に何かするのは楽しい。
な、べ、別に悠人が特別とかそんなんじゃ、なくて……
「メル? 何をニヤニヤしとるんや? 悠人はまだ来とらんよ。頬っぺまで赤くして可愛いのぉ」
「婆っちゃ! ……もうっ!」プンッ!
全く、婆っちゃは意地悪じゃ。メルは……メルはただ……悠人の喜ぶ顔が見たいと思っただけ。
メルが婆っちゃにしてもらったみたいに。あの時、メルはとても嬉しかった。
プレゼント、悠人は気に入ってくれるかな。
……
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