第24話『意識なんてしてないのじゃ』

 メルに本を読めと言ってるのか?

 ゆ、悠人も意外と甘えん坊じゃな。仕方あるまい。


「少しだけなら、いいのじゃ」

「ありがとう、この一編まで読み切りたくてさ。後はまた後日改めて読むから。それじゃ、こっちに来てくれる? あ、そうだオレンジジュースでいいかい?」

「おお! オレンジジュース! やったぁ!」


 悠人はオレンジジュースと小さなパンケーキを買ってきてくれたのじゃ!

 良いぞ〜読んでやるのじゃ。るんっ♪


 メルは悠人の隣に座りその小説を読むのじゃ。漢字がいっぱいで読むのが大変なのじゃ。

 漢字の横にルビがふられているから何とかメルでも読めそうではあるのじゃ。


 うわ、ルビのないのもあるのじゃ……うぃ。


 な、なんだか悠人との距離が近いのじゃ。

 メルは何故こんなにドキドキしてるのじゃ。悠人のことなんて何とも思ってないのに。


 悠人は目を閉じてメルの声に耳を傾けているのじゃ。その横顔をじっと見つめてると悠人は、どうしたの? と笑う。


 どーしたもこーしたもないのじゃ!


 もしかして悠人のことを意識してるのか?

 そ、そんな筈はないのじゃ。めんたい悠人のことなんて何とも……

 でも、何故こんなにドキドキするのじゃ。


 あ〜っ! 悔しいのじゃぁ~!


 ——

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