第25話『やっぱり我が家が一番なのじゃ』
あ〜っ! 悔しいのじゃぁ~!
——
ふう。何とか一編、読み切ったのじゃ。
「こ、これでいいのか?」
「うん、ありがとうメル。所々漢字の読みが間違ってたけど、そこはご愛嬌だね」
は、恥ずかしいのじゃぁ……!?
悠人はそんなメルの事はおかまいなしに悠々とブラックコーヒーなんか飲んでるのじゃ。悠人だけに。
とりあえず目の前のパンケーキを食べるのじゃ!
はむっ、美味しいのじゃ!
オ、オレンジジュースも飲むのじゃ!
す、酸っぱいのじゃぁっ!?
「あぁ、甘いもの食べた後にオレンジジュースとか飲むと酸っぱく感じるよね。まだゆっくりしていくから、急がなくていいよ?」
「お、おう、なのじゃ……」
悔しいけど、悠人はいい奴じゃ。
でもこの前婆っちゃが言ってたように悠人は何かに頭を悩ませてるのかな?
そんな風には見えないのだけど。
スイーツを堪能したメルは新しい本をかりることすら忘れて婆っちゃの待つ駄菓子屋へと帰ったのじゃ。やっぱり駄菓子屋が一番落ち着くのじゃ。
「おや、メルゃ。頼んどったお料理の本はなかったんかいな?」
「あっ」
婆っちゃ、ごめんなのじゃ。
「か、貸し出し中だった、のじゃ?」
「おう。そうかそうか。そんじゃ夕飯の支度でもするかね」
「婆っちゃ、メルも手伝うのじゃ!」
「よし、そんならじゃがいもの皮、剥いてくれかの? 今夜は肉じゃがやから」
今夜も我が家はあたたかいのじゃ。
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