第26話『お出かけなのじゃ』
三月三十一日、日曜日
午前十一時二十四分
春が来たのじゃ~! ポカポカ。
婆っちゃは言ってたのじゃ。今日はお花見をしようって。メルはお花見をするのは初めてじゃ。だからとても楽しみなのじゃ~!
「メル、お出かけの支度は出来たかね? そろそろお迎え来るよ?」
「もうそんな時間っ?」
すると、聞き覚えのある男の声が聞こえたのじゃ。む、悠人じゃ。
「ゆ、悠人、なんじゃ自転車なんか乗って」
「そりゃ近くの河原まで行くんだし、歩くよりは全然いいと思って。ほら、後ろにも座席ついてるしね」
ざ、座席って……悠人……それは子供用の座席じゃないか!? まさかソレに乗れと?
あ、婆っちゃはこの前ネットで買った電動式自転車に跨っているのじゃ。
「ほら、メル? 悠人の後ろに乗ってや。わしの自転車にはお弁当とか積まないかんからな」
「えっ!? これに?」
メルは大人じゃっ、のんじゃら!!
「そうだよ? お婆ちゃんに頼まれて。メルを乗せてあげてくれって。僕の自転車は後ろに乗れないタイプだから、母さんの借りてきたんだ」
「メ、メルは子供じゃないのじゃ!」
「さ、メルなら乗れるだろ? 早く乗って!」
むう……
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