　婆っちゃにコートを買ってもらったのじゃ！

　綺麗な黒のロングコートじゃ。ボタンの部分が可愛いボンボンになってるのじゃ！　モコモコした首まわりも可愛いのじゃ！

　ふふんふん〜なのじゃ！

　メルの身体はすっぽり収まって、めちゃくちゃあたたかいのじゃ！　非常に嬉しいのじゃ〜！

　……

　帰りにケーキを買ったのじゃ。

　苺の乗ったケーキ、早く食べたい。

　家に着いて夕飯を済ませたメルの前に、待ちに待ったケーキがご登場なのじゃ。

　あかりを消して、ローソクに火を灯す。

　綺麗じゃ……！

「ふぅって火を消すんやで？　出来るか？」

「勿論なのじゃ！　ふぅっ！」

　——部屋が真っ暗になったのじゃ。

　すると婆っちゃは電気をつけてお誕生日おめでとう、とメルに微笑んでくれる。

　メルは笑顔で返事をしたのじゃ。

　今日は上手に笑えていると思うのじゃ。

　メルの誕生日。一月二十七日。

　今日はメルの誕生日じゃ！

　明日は月曜日、また駄菓子屋を頑張るのじゃ！

　メルはいっぱい笑って、いっぱい食べたのじゃぁ！　メルの頬っぺについたクリームを、婆っちゃが指でとってくれたのじゃ。

　そして、また笑ったのじゃ！

　キラキラしたこの空間、この場所こそ、夢の国なのじゃ。きっと、そうなのじゃ。

　婆っちゃと一緒に過ごす、この幸せな時間が何より愛おしい。

　……婆っちゃ、大好きなのじゃ！

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