概要
すてき店長「時雨菜月」がいて
今日もラテアートをご機嫌に描いている。
しかし、実は、その「時雨」は
男、いえ、女だったのです。
スプーンがすきなの。spoonもすぷーんも、まるくてかわいい。
フォークやナイフは尖っているのに、スプーンはまるい。
スプーンが伴う仕草も、掬う、かき混ぜる。
円を描くように動線がまるくて。
砂糖スプーン1杯分、じゃりっと甘くて
珈琲カップ1杯分、ほろ苦い物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!カフェラテのふわふわの下にはしっかりとコーヒーの苦味があって
カフェを中心におしゃれな風景、かわいい登場人物
格好いいお姉さん? お兄さん? との
ハラハラ・ドッキリ・ポワポワ・フワフワ・ドキドキ、涙ありのいろんな生活
主人公の結花ちゃん、キミは小動物、ヒト科アライグマ目なのかな?
動きが面白くてさ、おもちゃのようにコロコロ遊ばれてるようで、でもしっかりとしたところはしっかりとしているのかな。
人との付き合いはいろんな側面を見るのだけれど、それは自分にとって体験したことの無いものが多いのかも。その方が惹かれるのかな? いや、この体験はなかなかできないと思います。
物語を紡ぐ、モノや情景の表現は、さすが六月さんワールドです。
結花ちゃんは何が好き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!蜂蜜添えフルーツケーキと濃い珈琲のようなbitter & sweet
小柄で可愛い普通の大学生だった結花が、まさか女性を好きになるとは本人にも予想外だった。
かわいいもの大好きなクールな時雨さんも、いつしか結花を小動物以上の存在に思えていき……
憧れから、戸惑いながらも恋へ、恋とは言い切れないものへと変わっていく。
甘く、可愛く、進んでいくのかと思いきや、時雨さんに関連する複雑で衝撃的な事情が判明する。
人とは決して型に嵌らないものであり、それが周囲には理解出来ないであろう希少なものだとしたら、どう受け止めたらいいのか。
受け身だった結花が考えた、或は時雨さんたちの行き着いた結論とは——
甘さとほろ苦さに浸り、個人的には大変ツボだったカクテルと音楽に酔い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!きらきら、ふるふる、甘くもありちょっぴり苦くもあり。
誰も真似できない、個性的な語り口や文体というものがあるけど、この作者さんの語り口もそうで、その雨上がりの水滴のようなきらきら、ふるふるした雰囲気、色彩が浮かび上がってくるような繊細な情景描写・心理描写は、オンリーワンだなあ、と拝読させていただいている。
で、読んでいくうち影響されて、自分でも心の中で「みゅー」とか「にゃー」とか呟いてみたりするけど、私が口に出して使ったり書いたりしても、全く似合わない。みゅー。
この「スプーンと時雨」、最初はユリユリした可愛らしい話だと思っていたが、次第に主人公の結花とその周囲の人々が多角関係を形成していき、それと同時にいいままで隠れていた秘密も現れ、それは…続きを読む