カフェを中心におしゃれな風景、かわいい登場人物
格好いいお姉さん? お兄さん? との
ハラハラ・ドッキリ・ポワポワ・フワフワ・ドキドキ、涙ありのいろんな生活
主人公の結花ちゃん、キミは小動物、ヒト科アライグマ目なのかな?
動きが面白くてさ、おもちゃのようにコロコロ遊ばれてるようで、でもしっかりとしたところはしっかりとしているのかな。
人との付き合いはいろんな側面を見るのだけれど、それは自分にとって体験したことの無いものが多いのかも。その方が惹かれるのかな? いや、この体験はなかなかできないと思います。
物語を紡ぐ、モノや情景の表現は、さすが六月さんワールドです。
結花ちゃんは何が好きなのかな?
それをちょっと探してみるもの良いのかもしれませんね。
小柄で可愛い普通の大学生だった結花が、まさか女性を好きになるとは本人にも予想外だった。
かわいいもの大好きなクールな時雨さんも、いつしか結花を小動物以上の存在に思えていき……
憧れから、戸惑いながらも恋へ、恋とは言い切れないものへと変わっていく。
甘く、可愛く、進んでいくのかと思いきや、時雨さんに関連する複雑で衝撃的な事情が判明する。
人とは決して型に嵌らないものであり、それが周囲には理解出来ないであろう希少なものだとしたら、どう受け止めたらいいのか。
受け身だった結花が考えた、或は時雨さんたちの行き着いた結論とは——
甘さとほろ苦さに浸り、個人的には大変ツボだったカクテルと音楽に酔い痴れながら、拝読しました。
個性的な登場人物たちと丁寧に描かれたその心情、先の読めないストーリー展開が興味深く、いろいろと考えさせられた深い物語です。
是非、最後まで読んで欲しいです。
誰も真似できない、個性的な語り口や文体というものがあるけど、この作者さんの語り口もそうで、その雨上がりの水滴のようなきらきら、ふるふるした雰囲気、色彩が浮かび上がってくるような繊細な情景描写・心理描写は、オンリーワンだなあ、と拝読させていただいている。
で、読んでいくうち影響されて、自分でも心の中で「みゅー」とか「にゃー」とか呟いてみたりするけど、私が口に出して使ったり書いたりしても、全く似合わない。みゅー。
この「スプーンと時雨」、最初はユリユリした可愛らしい話だと思っていたが、次第に主人公の結花とその周囲の人々が多角関係を形成していき、それと同時にいいままで隠れていた秘密も現れ、それは結花のこころを揺らし、ある時は喜ばせ、またある時は苦い味を思い起こさせながら、結末へと向かっていく。
柔らかな文体だけれども、登場人物の発する言葉は時々鋭くて、痛い。きらきら、ふるふる、に浸っていると、いきなりこちらに刺さり、どきりとする。
ラストの「リボン」に、彼女はそういう役割だねえと頷き、満足して物語を読み終えた。
〔追記〕上記の他にも読みどころはいくつもあって、例えばお料理や飲み物の数々の描写。カフェのメニュー、結花の故郷の徳島の郷土料理などなど……読んでいると食べたくなる、飲みたくなる。飯テロ小説の可能性も秘めている。恐るべし。
最新の44話まで読んでのレビューになります。
どこにでもいるような女子大生の結花、彼女がカフェで出会った時雨さんに恋することから始まる物語。
ですが普通の恋の物語ではありません。男性だと思っていた時雨さん、実は女性で……という冒頭から始まり、徐々に時雨さんを取り囲むミステリアスな面々が次々とあらわれ、さらには結花にもいろいろと取り巻き連中が現れ……と物語はあれよあれよと転がっていきます。
予測不能のストーリーはもちろん、キャラクターの面々が個性的でとにかく先が気になります。
さらにこの物語の語り口!主人公の結花の一人称で語られていくのですが、どこかフワフワとした結花のかわいい・楽しい・おかしい性格が前面に出ていてとにかく魅力的なんです。
でも結花は可愛いだけでなく、女性らしい一面もあるわけで、そのあたりのギャップにリアリティがあふれています。
さらにさらにこの時雨さんの魅力的な人間性、彼女を取り囲む男性陣のなんともカッコいいコト、そしてちょっと屈折している感じがまた読んでいて楽しいのです。
この個性派ぞろいのキャラクターたちが引っ張る物語は山あり谷あり、笑いあり、涙あり、楽しさあり、切なさありの豪華な内容です。
現在物語は佳境に入ったところだろうと思います。
ぜひ最初の一ページをめくってみませんか?
女性はもちろんのこと、男性も楽しめる、面白い物語です。
憧れの人を男性だと勘違いしていた主人公。
告白したら女性だと判るも、やはり気持ちを抑えきれない。
そして百合百合展開へ進み、予想外の展開に動じるけれど、主人公は自分の気持ちに素直に行動する。
自分の気持ちを持て余しながら、憧れの人との距離感を詰めようと努力する様子が若さと可愛らしさを感じさせる。
この恋の行方はどうなるのでしょうか?
とても楽しみです。
作者さんの優しいタッチで描かれる登場人物の心情が愛らしい。
また、描写は丁寧に言葉を選んでいることが窺えて、一行一行をつい大切に読んでしまう。
少女の愛らしさ、恋の切なさ、若さの力、それらを存分に感じさせてくれる作品です。
是非、ニマニマしながら読んでください。