概要
綺音の親友・奏(かなで)は、彼女とともにヴァイオリンを学んできた。歳月を経るごとに高まる想い。しかし、綺音の理想は高くて……。
そんなとき、奏たちのクラスに転校生がやってくる。彼、蔵持 晶人(くらもち あきと)は、美弦と同じほどの素晴らしいピアノの名手だった。
見目麗しく、頭脳明晰で、性格にも難のない晶人に、綺音が心を寄せる。しかし、彼が恋したのは──?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!幼い頃からの想いは音楽の調べに乗せて。
幼馴染とその家族との心地良い時間はとてもゆっくりと優雅に流れていく。
ずっと続けばいいのに。
それはある日突然変わっていく――
おっとりしているのに音楽に関してははっきりとした意見を持つ綺音。
その姉を支えるように優しく寄り添うちょっと毒のある弟、美弦。
綺音を幼い頃から見守る奏は誰よりも切なく艶のある音を響かせる。
この3人を中心に物語は動いていきます。
エピソードごとの選曲はゆったりしたものからだんだんと情熱的なものに変わっていきます。
ヴァイオリンや音楽の知識がなくともしっとりとした艶やかな文章から雰囲気が伝わってきて、いつまでもその中に酔って浸っていたい。
そんな作品です。
続…続きを読む - ★★★ Excellent!!!上品な世界観の中にある、音楽の「孤高」のハートが魅力的
11月22日現在の最新話、「第27話 若草祭当日」まで読んだ感想です。
上品で、どこが中世のヨーロッパやファンタジーの世界の貴族社会を見ているような読み心地の作品です。
登場人物たちが奏でるものはもちろん、食べるもの飲むもの口にする言葉など、どれをとってもそういう世界観がにじみ出ていて、上流階級の生活を肌で感じられるよう。
それだけで心が浮き立ちます。
しかし、そういう品の良いイメージの裏では、理想の音楽を奏でるための努力や苦しみがあることが分かります。
人には見せられないそういう部分に、「孤高」という言葉が連想されるほど凛とした力強い印象を受けました。
こうした部分が作品のハートとも言…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心に訴える、美しい音楽と恋の調べ
音楽も恋も、これからが恐らく最高潮といったところになるのかと思いますが、現在最新25話まで読んでのレビューとなります。
無邪気で奔放なヴァイオリニストの綺音。彼女に密かに思いを寄せる同じヴァイオリニストの奏。そしてそこへ少しミステリアスな転校生、晶人というピアニストが入ったことによる、三者三様の恋模様を描いた青春小説。
恋の行方も勿論気になりますが、私としては文字を見ているだけでまるで聞こえてきそうなほど表現力豊かに再現されている様々な音楽も、この物語の魅力の一つなのではないかと思います。
美しい調べに乗せて描かれる淡い恋模様。この二つがとても上手く絡み合い、より一層物語を盛り上げている…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いま、物語が優雅に軽やかに動き出す。
恋もイベントも、軽やかな序章と流麗な中間部を経て、いよいよ豊かな熱量で盛り上がってくる…。
そんなワクワクするタイミングでのレビューになります。
純真で少し奔放なところのある天才ヴァイオリニストの綺音に、ヴァイオリン仲間であり幼馴染みでもある奏は密かに想いを寄せています。
けれども、転校生のピアニスト、晶人を綺音たちの音楽愛好部に引き入れたことをきっかけに、恋を知らなかった綺音の心が恋のメロディを奏で始めます。
無垢な綺音に、想いが届かないまでもどこか安心していた奏でしたが、晶人の出現で穏やかな心にさざ波が立つようになり…。
音楽愛好部は新入生獲得のための若草祭での発表を控え、準備を進め…続きを読む - ★★ Very Good!!天上の音楽を聴いているような、美しい物語。
音楽を題材にしているから美しいのではなく、文章それ自体が美しい。演奏シーンはもちろん、日常生活の描写も、ヒロインの家がセレブ家庭だからという理由もあるのでしょうが、常に紗の入っているような美しい映像が浮かびます。ふだん、ガチャガチャとした読者受け狙いの文章を書いている身からすると、ちょっと悔しいやら、妬ましいやら、そんな気分にさせられます(笑)
圧倒的な存在感を放つヒロインに対し、彼女と思いを通じ合うことになるんだろうなぁと思われる二人、彼と……たぶん彼。もう少し、自己主張してもいいんじゃないのかなぁという気がします。(彼女に惚れてる描写がも少し欲しい感じ?)でないと、何事も根性と努力で乗…続きを読む