幼馴染とその家族との心地良い時間はとてもゆっくりと優雅に流れていく。
ずっと続けばいいのに。
それはある日突然変わっていく――
おっとりしているのに音楽に関してははっきりとした意見を持つ綺音。
その姉を支えるように優しく寄り添うちょっと毒のある弟、美弦。
綺音を幼い頃から見守る奏は誰よりも切なく艶のある音を響かせる。
この3人を中心に物語は動いていきます。
エピソードごとの選曲はゆったりしたものからだんだんと情熱的なものに変わっていきます。
ヴァイオリンや音楽の知識がなくともしっとりとした艶やかな文章から雰囲気が伝わってきて、いつまでもその中に酔って浸っていたい。
そんな作品です。
続きがどうなるのかとても気になります。
11月22日現在の最新話、「第27話 若草祭当日」まで読んだ感想です。
上品で、どこが中世のヨーロッパやファンタジーの世界の貴族社会を見ているような読み心地の作品です。
登場人物たちが奏でるものはもちろん、食べるもの飲むもの口にする言葉など、どれをとってもそういう世界観がにじみ出ていて、上流階級の生活を肌で感じられるよう。
それだけで心が浮き立ちます。
しかし、そういう品の良いイメージの裏では、理想の音楽を奏でるための努力や苦しみがあることが分かります。
人には見せられないそういう部分に、「孤高」という言葉が連想されるほど凛とした力強い印象を受けました。
こうした部分が作品のハートとも言えるところではないかなと思い、とても感銘深かったです。
キャラクターも、品良く描かれていますが一方でしっかりと描きわけられていて、押し付けがましくない個性が好印象でした。
今後、彼らがどのような関係になっていくのか楽しみです。
音楽も恋も、これからが恐らく最高潮といったところになるのかと思いますが、現在最新25話まで読んでのレビューとなります。
無邪気で奔放なヴァイオリニストの綺音。彼女に密かに思いを寄せる同じヴァイオリニストの奏。そしてそこへ少しミステリアスな転校生、晶人というピアニストが入ったことによる、三者三様の恋模様を描いた青春小説。
恋の行方も勿論気になりますが、私としては文字を見ているだけでまるで聞こえてきそうなほど表現力豊かに再現されている様々な音楽も、この物語の魅力の一つなのではないかと思います。
美しい調べに乗せて描かれる淡い恋模様。この二つがとても上手く絡み合い、より一層物語を盛り上げていると感じました。
美しい音色に、初々しい初恋に、心が高揚する。そんな素敵な物語です。
恋もイベントも、軽やかな序章と流麗な中間部を経て、いよいよ豊かな熱量で盛り上がってくる…。
そんなワクワクするタイミングでのレビューになります。
純真で少し奔放なところのある天才ヴァイオリニストの綺音に、ヴァイオリン仲間であり幼馴染みでもある奏は密かに想いを寄せています。
けれども、転校生のピアニスト、晶人を綺音たちの音楽愛好部に引き入れたことをきっかけに、恋を知らなかった綺音の心が恋のメロディを奏で始めます。
無垢な綺音に、想いが届かないまでもどこか安心していた奏でしたが、晶人の出現で穏やかな心にさざ波が立つようになり…。
音楽愛好部は新入生獲得のための若草祭での発表を控え、準備を進めている真っ最中。
恋心に気づいた綺音、もどかしさに駆られる奏、そしてまだ感情を表に出していない晶人の恋の三重奏は、これから第二楽章といったところです。
作者様の流麗な言葉によって紡がれる名曲の数々や、綺音の華麗な家庭の様子も、読み手を優美な世界に連れていってくれます。
ますます厚みをもって盛り上がっていくこのタイミングで、あなたも連載を追いかけてみませんか。
音楽を題材にしているから美しいのではなく、文章それ自体が美しい。演奏シーンはもちろん、日常生活の描写も、ヒロインの家がセレブ家庭だからという理由もあるのでしょうが、常に紗の入っているような美しい映像が浮かびます。ふだん、ガチャガチャとした読者受け狙いの文章を書いている身からすると、ちょっと悔しいやら、妬ましいやら、そんな気分にさせられます(笑)
圧倒的な存在感を放つヒロインに対し、彼女と思いを通じ合うことになるんだろうなぁと思われる二人、彼と……たぶん彼。もう少し、自己主張してもいいんじゃないのかなぁという気がします。(彼女に惚れてる描写がも少し欲しい感じ?)でないと、何事も根性と努力で乗り越えてしまう自己完結型の彼女に吹き飛ばされてしまいそうで……まあ、影から見守る感じの片想いも充分キュン(笑)ですが、でも、思いが通じるキラキラした瞬間というのも、この美しい世界の映像で見てみたい気がします。どっちの彼に軍配が上がるのかな~と、この先の展開を楽しみにお待ちしています。
最新第10話まで読んでのレビューです
上流階級音楽一家のヒロインと一般家庭の主人公の恋物語、今は一章が終わったところです。ここまででキャラクターたちの性格、環境などが一通りそろったところでしょうか。
特筆すべきはやはり演奏のシーンでしょう。言葉で音楽を表現するのは難しいと思うのですが、そのあたり華麗な表現と、独特の比喩で巧みに描かれています。曲を知らなくても曲の美しさが漂ってくる、そんな雰囲気なのです。
そしてキャラクターたちもまた個性的で、ヒロインの一家の華やかな感じや、主人公の等身大な感じ、クラスメートたちの日常な感じなど、音楽シーン同様に流れるように描かれています。この物語自体が曲となって展開しているような感じでしょうか。
そして肝心かなめの恋のシーン、今はなんともほほえましいところです。連載を追いかけながら楽しんでみるのがおすすめです。