Consider2 憂愁のソーンクラウン

首吊り少女と29人の容疑者

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 2031年。

 以前より危惧きぐされていた超級少子高齢社会は訪れた。


 一向によくならない不況の影響か政府への不満か、日本の犯罪率は右肩上がりに加速し続けた。超級少子高齢社会が訪れた日本は治安世界ランキングの上位から転落。盗みや暴行などが日常化し、刑務所に人が溢れかえった。

 もはや、警察の手に負えない最悪の状況だった。

 そして政府は、革命的打開策を打つことになる。


 『犯罪防止策』の施行しこう


 これにより、日本政府は個人情報保護法を最低限まで破棄はき、国民全ての情報を把握はあくすることにした。

 誰と誰が結婚し、誰が生まれ、どういう家庭で育ち何を食べ、何を読み、何を学び、どのような生活を送っているのか、SNSはもちろん個人の電話やメール内容を監視、定期的にどういう思考を持つのかを検査、監視し続けることで、将来犯罪を起こしうる人物を予測した。

 将来犯罪者になる可能性が高い者には、生体チップの埋め込まれた青いサージカルステンレスのフープピアスを両耳に装着することを強制義務とした。

 これにより、犯罪を未然に防ごうと考えたのだ。


 人はそれを、≪ブルーマーク≫と呼んだ。


 結果。11年後の2042年。

 日本の犯罪率は大幅に低下し、2015年以来の治安世界ランキング上位を取り戻した。







 しかし、それでも日本から「殺人」は消えなかった。




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