川谷パルテノン

異質な舞台での奇怪な体験。その期に及んで「疲れ」と「祈り」だけが肉感的に響いてくる。強い人間ばかりではない、確かにそうだよな。

筆おろしの曲解。思春期のバカバカしさが全面に押し出されたような発想に対してすっかり大人になってしまった僕自身なんちゅうもんを書いとんねんと笑ってしまった。だいたいこの企画は遠回しに…続きを読む

　存在と虚無は相反する観念でありながら背中合わせの概念である。両者は多義的であり時代、場所によって異なる性質を持つ。存在はつまりは実体であり、主体であり客体である。その視点によって…続きを読む

好きな人が自分を好きでいてくれるならそんな幸せなことはそうない。それも自分が好きでいることを全身全霊ぶつけてアンサーしてくれるそんな人を愛らしく思わないほうが無理というものである。…続きを読む

オレ　コレ　スキ

あらためて読み返してみると、①地獄②ぱらいそ③カルミンの並びに語り手の変遷を感じる。三者は常に並立しているが成長と共に割合の変化がある。今はもう売られていないカルミンがキッカケで思…続きを読む

　ヨット好きの父が追い風に乗ってほしいと名付けた凪帆くんが出会したのは"嵐"。それは凪帆くんにとって波乱になるはずがどうもこの青年、頼りなさそうでやる時はやるようだ。嵐といえど帆の…続きを読む

　この切なさ、邪推すまいと私は誓った。文字通りの尊さだ。何がてぇてぇだいい加減にしろコレが「尊さ」だ！ 　若き恋心と老いてなお灯る愛の対比。少女は先達の教えと舞い込んだチャンスをそ…続きを読む

現代の意味でのゴシックを用いたミステリにおける悲劇とは得てして虚飾である。現実的な悲惨さをその調度品で飾るようにして隠匿される。曼珠沙華と物々しい名を持つ部屋に纏わる悲劇性がまさに…続きを読む

10文字から投稿出来るといった企画上のルールを実際に提示してくれるでかいさんの優しさやなあ。 果たしてこれは小説かと聞かれれば「ありがとうございます」とただ書いただけのものより物語…続きを読む

名も持たず性奴隷のような暮らしをしていた少年がヤクザと出会い自分の価値に気づきアウトローの世界で成長していく、言わばシンデレラストーリーのロジックです。少年は埋もれた原石であり出会…続きを読む

文字数以上に余地が語る。妃のそもそもの目的とは何であったのか。「貴方だった」とは何を指すのか。新帝の死因が前二代と同じなのは何故か。転じて老いたる初めの夫の死の直因とは何か。これら…続きを読む

僕の中で流れ出したのはB'zの「LOVE PHANTOM」とかTWO-MIXの「JUST COMMUNICATION」だったわけなんですが……まあ熱いですよね。劇中に流れる主題歌…続きを読む

爪を隠すと言いますが、人を見た目で判断したまでは仕方ないとして、どうして表に出してまで優位性を取ろうとしてしまうかねと哀れみがあります。語り手が爪を隠せていたなら、牙を向けられるこ…続きを読む

ここを私の総評とする！(旗を立てるための土台としての穴を掘る仕草) えっとね、爽やかでした。もちろん和田島さんの持ち味みたいなものは感じ取れるんですが、今まで私が読んできた和田島…続きを読む

はがちさんの好きなもの全部盛り！ いつか読んだ漫画でサメに出会したら乾電池を遠くに投げろって書いてましたが都合よく乾電池ある？……ってのは置いといてサメの持つ特殊な器官についての…続きを読む

玄野君の所謂ステレオタイプな視点と雨ヶ崎さんの実像による裏切りによって展開されるストーリー。でも性癖は地味子となっているところに業の深さを感じてしまいました。 若干メタ的な話し方に…続きを読む

性癖を語るとはまさにこの作品のようなことなのだろうと思わされました。妙な修飾を廃して「眼鏡を外す」という行為を客観的に描写していく様が誠実であるなと。ピンポイントなスポットのあて方…続きを読む

多視点の語り口が好きな感じでした。表現はどこかグロテスクで詩的でもある。結局なんなのかはよくわからなかったですがあとがきを読ませていただくと腑に落ちるとこもありつつ、ただその向きで…続きを読む

にいにが普通でないことに気づいているのが少女だけなわけですが、皮肉なことにそういった常識的な感覚によって異質さにのめり込んでしまうという。世の中には説明のつかないことなんてものが話…続きを読む

誰にでも知られたくないことの一つや二つあるでしょうけれど、なぜ知られたくないのかと言えば人は結局その人個人をもっとも身近な存在として否応なしに好いてしまうからではないかと考えます。…続きを読む

場面設定がクールですね。ただガートルードという常人ならざる存在を描くにはやや駆け足で説明に終始してしまったかなという印象があります。なんとなくこの人物のことを知った感じになってしま…続きを読む

わしゃ何を読まされているんだろうかという気持ちになった。何を読まされているんだろうかという気持ちになったがこの甘ったるい語り存外悪くないぞという気持ちになった。存外悪くないぞという…続きを読む

オチはよくあるやつ。もっと書いてもいいと思った。特に「肉を食べる」ことについてより細かく写実するだけでどこか幻想譚めいてくるのではないかと可能性を感じた。オチの部分に至るまでの過程…続きを読む

憎しみ合う中で芽生える真逆の感情に対して男は区切りをつけようとし、女はただ受け入れようとした。願いは他愛ないものでありながら想いは摩擦する。ただ四〇〇年だった。冒頭に掲げた時間が語…続きを読む

曖昧さが回避できない。どちらがどちら側なのか。手紙の内容は常軌を逸している。かといってそれが届いてしまうほうの世界も歪である。とにかく不幸事がありそれによって現実と異界が繋がってし…続きを読む

短いものはいい。単純に時間コストがいい。書く側も読む側も。けれどただ短いだけというのは陳腐になる。なぜ書くか、なぜ読むかについてはそれぞれであるけれど、そこに意味も目的もないことを…続きを読む

　お前が悪い！　だが嫌いじゃないぜ！　一歩ずつ、一歩ずつ、まずは服を着ろ　そこからやり直そうや^_^
動物病院紹介します

　唯一の欠点がマイナスに振り切れて、他のプラスが霞むどころか帳消しである。欠点と呼ぶのも疑問なほどに悪魔的。暖簾に腕押し、だとか豆腐に鎹ではないがある種の無敵に見初められたことが悲…続きを読む

　干からびた過去は想い出の中で瑞々しい。まるで時が止まったように、溶けない氷の中だという。後悔は先に立たず、呑気に希望を口にする。身勝手で哀れでさえある。それでも切れない縁がまた彼…続きを読む

元来、一部研究家の間では羅生門の羅はチュパカブラのラと言われてきた。なのでチュパカブラの登場にはさして不自然たる様子もなく、時に文豪芥川龍之介も一度はよぎったアイデアとされている。…続きを読む

　承認欲求の塊で癇癪持ちのパニック障害気味クソガキ24歳と、それよりは少しほんの少し社会性が高いといった自意識から優位性を見出し縋り付くヒモ男の共生関係オーィエ！共生関係アァハン？…続きを読む

一丁の銃が見てきた一人の男の生涯が銃によって絆と呼ばれる物語。戦地に赴く兵士の悲惨さはかつてまだ男があどけなかった頃の思い出その彩りが際立つほどに灰色だ。色の取り戻し方がそれしかな…続きを読む

　起きてることは殺伐としているけど、喩えるなら少年が無邪気に虫を捕まえようとする姿を思った。手に収まるほどの虫が捕まえた気でいてなかなか上手くいかず、ムキになって追いかける。いざ捕…続きを読む

洗剤でも界面活性剤、とくに食用にも含まれるサポニンとレシチンで作った洗剤は食べられちゃうんですね！　大豆なんかにも含まれてるからその茹で汁も汚れを落とす効果があるなんて知りませんで…続きを読む

箱の中身はなんじゃろな♪♪

おいこの野郎最悪の展開じゃねいか！！

忌避行動としての手洗いですがもうダメです。すず姉やべえけど笑ってるのがなんか良いなと思いました。

　感受性が強い男の子の語りだと思いながら読む。蝙蝠が所謂ヴァンパイア的な立ち位置であることに併せてイソップ寓話などで知られるある特性がうまく機能しているように思った。さらっと読める…続きを読む

こんなんあるぅ？ってなって、そりゃそうだよなってなった。他人の地雷を甘く見てました。言ってそれは誰かのもの、自分は客観視出来ると。出てくる奴の殆どが嫌いだw 「やらんのか」と叶野さ…続きを読む

　あのシーンにゾワゾワしたならより一層この可愛さがハマると思う。カイザー・ソゼにこんな用途があるなんて誰が想像したろうか。私も時々フリスクを口に含んで天井を見上げ、首をポキポキ鳴ら…続きを読む

お姉ちゃーーッんんん！！！ ……失礼しました。 　キャラクターネームや造語の使い方が絶妙に厨二を解釈されており「そうそう、こうだよなぁ」と納得した私です。展開も超展開、徐々に明る…続きを読む

冒頭のアパートにある熱気が、後半につれて雀荘の一卓に集約されリンクしていく。熱気は薄暗さの中で陽を纏い熱狂と化す。狂って咲いたが勝ちの濃い面子(どこかで聞き齧った名前だな)。ひりつ…続きを読む

　行方不明にならなくてよかった、のひとことが怖くないですか？ 　よくわからないまま導かれるようにして山に入っていこうとした語り手ははぐらかすような語り口の中で端々に確信めいたワー…続きを読む

　すみません。不勉強ゆえ、模写された文章がなんらかの意味を持つのだとは思うのですけれど字面以外の部分を読み取れませんでした。 　秘密の部屋が異空間に通じていたのか？といったシンプ…続きを読む

　M氏は恋人の死後より四十九日が過ぎてから、毎年チョコレートを観測するようになる。 　チョコを認識しているのが誰と誰なのかといったはっきりとした描写はないのでなんとなくでしか言えな…続きを読む

　情が移り、妙な良心を働かせたがために呪いに触れる話。 　異界と通ずるタイル画の違和を感じ取りつつも、犯人が捕まっただけで老婆の無念が晴れると考える浅はかさもある語り手は、所謂英…続きを読む

　一読する限りではちょっと難しい感想になるなと思い、二度三度と読み返してみた。 　引越し先に現れる不審者の話。実害はないけれど、深夜に家の前を歌いながら歩いていく。歌っていた内容…続きを読む

　流行りのアプリをモチーフに展開する怪談。文中の文字化け箇所を復元サイトにかけるとちゃんと出てくる凝ったつくり。 　 　ギミックの部分にこだわりを感じる反面、話としてはよくある死者…続きを読む

　まるで小泉八雲が記したのかと思うほどによく出来た(などとエラソーに言いたくなる)怪談だった。 　観音様が優しい顔にならない理由もしっかりとした理由づけがあり、そこにマイルドとで…続きを読む

　僕自身の経験ですが、学生時代のサークル合宿にて、先輩が霊感持ち(って話)で合宿所の中を、何人か引き連れて霊感ツアーみたいなことをしだしたんですね。それで僕が寝ていた部屋の布団のそ…続きを読む

　呪いの触媒として爪を利用する。不気味だ。輪をかけて不気味なのは奇怪なメソッドに反してNが普通の主婦に見えること。 　とはいえだからこそ人として許せなかったのだと思う。またその手…続きを読む