干からびた過去は想い出の中で瑞々しい。まるで時が止まったように、溶けない氷の中だという。後悔は先に立たず、呑気に希望を口にする。身勝手で哀れでさえある。それでも切れない縁がまた彼女を病室へと戻す。娘さんに会いたいですか?一緒に流氷を見に行きたい ロマンチズムとやるせない実情に理性と理想の衝突がある。三題噺のテーマが言葉そのもので盛り込まれながら、ただそこに留まらず示唆は全体に広がっていて、その様がどこか冷え切った氷を溶かすよう。素晴らしい。
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