境界

曖昧さが回避できない。どちらがどちら側なのか。手紙の内容は常軌を逸している。かといってそれが届いてしまうほうの世界も歪である。とにかく不幸事がありそれによって現実と異界が繋がってしまった状態がある。手紙はいう「片付けろ」と。するとますます散らかり始める。一つの結果に向かって集約していく展開は物語をする上でスタンダードであるが、この『夏の手紙』のように拡散して混じり合い着地させないのも面白いと感じた。起きていることは理解出来るのに真意のようなものには到達出来ない。