登場人物がおしなべて間抜けさを露呈する。誰もが「まさか」を基準に動いている所為で、落とし穴に嵌るし、相手を見誤るし、違法農家とはいえ曲がりなりにもプロでやってる連中がマンドラゴラの効能を軽視して逆転される。誰もが莫迦莫迦しい振る舞いの中で命を賭している。
"けれどそれが人生ってもんだろ。"
映画『セブン』で取り調べを受ける風俗店の受付をしている男の台詞を引く。
誰しもが生きるために毎日を過ごす。それは決して平坦な道ではなく常に正解を叩き出すなんて無茶な話である。
彼らはマンドラゴラを引き抜く。はじめは金のため、最後は命のため。これには答えがない。だがチャンスだけはある。人生だ。
人は間違い続ける。何が幸せか、それだけだ。